シャンパーニュをアペリティフとしてだけではなく、食中酒としても愉しむ人が増えている。新たな発見をもたらす、さまざまなジャンルの話題店へご案内。今回は“蕎麦シャン”が味わえる、銀座の「蕎麦割烹 橙(だいだい)」をご紹介。【特集 シャンパーニュの魔力】
しなやかな同調マリアージュで口福の頂へ
蕎麦とシャンパーニュの共通点といえば、その風味にテロワール(土壌)が大きく関係していることだろう。生産地と“同郷”の日本酒を合わせるのは定番だが、ソムリエが選び抜いたワインを多く扱う店ならば、ぜひシャンパーニュと蕎麦のマリアージュを体験してみたい。
中国料理界の巨匠として知られる脇屋友詞シェフは昔から大の蕎麦好き。念願かなってオープンした銀座の「蕎麦割烹 橙」では、3種のコースのいずれにも3種の蕎麦が含まれる。
18歳の時に山梨県の「翁」で修業を始めた蕎麦職人の森大和氏が打つ二八蕎麦は、時期や天候によっても品種の割合を変えるが、本鰹(がつお)と魚体が小さな亀節をブレンドし、木桶仕こみの醤油を加えた蕎麦つゆとの相性を考え、ソムリエの塀内(へうち)誠二氏が選んだ1本は、ムニエ100%のピエール・パイヤール。
「しっかりとした塩気がありながらまろやかで質感が柔らかく、蕎麦の香りと余韻がいっそうふくらみます」と、味の芯部を捉えた組み合わせに胸が高鳴る。
※シャンパーニュの価格は、店舗にてボトルで提供する際の価格です。
この記事はGOETHE 2025年1月号「総力特集:シャンパーニュの魔力」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら