創業130年のスペイサイド・シングルモルトウイスキー「ロングモーン」から、独立ブランドとして新登場した「ロングモーン 18年」と「ロングモーン 22年」が2024年2月5日に数量限定で発売された。
白銀の世界で味わう香り高いシングルモルト
真っ白な雪化粧を纏った山々の冬景色が美しいこの季節、鉄道で温泉やスキーなどの旅に出かける人も多いのではないだろうか。そんな冬の鉄道旅に持っていきたいウイスキーが、スペイサイド・シングルモルトウイスキー「ロングモーン」だ。
鉄道をモチーフにデザインされた黄金色のロゴは、創業者ジョン・ダフが蒸溜所の敷地内に鉄道を引き込み、原料の調達や製品の輸出を行ったことが由来。産業革命の真っ只中にあったスコットランドで、鉄道を使ったウイスキービジネスを試みたジョン・ダフの精神性は、今もスペイサイドの地で息づいている。
1894年に創業されたロングモーンは、スコットランドでも随一といえる老舗ブランド。日本での発売は2020年からと比較的最近のことだが、創業130年の歴史を誇る名門ウイスキーは、他の名門ウイスキーに引けを取らない深い香りと味わいで、飲むものを存分に楽しませてくれる。
そんなロングモーンから新たに独立ブランドとして、「ロングモーン 18年」と「ロングモーン 22年」というふたつの数量限定のウイスキーが発売された。
厳選されたアメリカンオーク樽で18年以上も長期熟成されたウイスキーを、年に1回のみスモールバッチでボトリングした希少性の高い逸品は、ウイスキー好きなら一度は飲んでおきたい一杯だ。
ポールシャス社製のミルで、20%ハスク(殻)、68%グリッツ(粗挽き)、12%フラワー(粉)に粉砕したモルトを、10器のウォッシュバックで48〜55時間発酵。あえて冷却濾過をしないノン・チルフィルタード製法で製造することで、濁りのないピュアな香味を実現した。
また、樽出しから加水せずにそのままのアルコール度数を保つカスクストレングスを採用することで、ボトルのバッチによってアルコール度数が異なるのも特徴のひとつ。来年以降に同じ熟成年数のものが発売された際には、バッチ毎のわずかなテイストの違いを自らの舌で見極めたい。
スペイサイドスタイルを存分に味わう愉しみ
先日、都内で行われた発売記念イベントでは、「ロングモーン 18年」と「ロングモーン 22年」に合わせたペアリングメニューとともに、新たに生まれ変わったロングモーンの門出を祝う試飲会が行われた。
「ロングモーン 18年」と一緒に供されたのは、「林檎のカラメリゼ入りフィナンシェ 土佐鴨スモーク ラズベリーマスタードのアクセント」と「鹿児島六白豚 ココナッツとトロピカルフルーツ風味焼き」の2品。
スペイサイドの地で脈々と受け継がれてきたスタイルを忠実に再現した「ロングモーン 18年」は、まさにスコッチウイスキーの原点。濃厚なソフトキャラメル、新鮮なマンゴーやアプリコットのような甘くコクのある味わいが、フィナンシェの“コゲ感”と見事に混ざり合い、ほのかに甘くフルーティな余韻が多幸感を演出する。
また「ロングモーン 22年」には、「北海赤海老マダガスカル産バニラとレモン風味のマリネ 手毬寿司仕立て」と「フォアグラとヘーゼルナッツのプラリネ風味 ムースリーヌ いちじくのコンフィチュール バニラとオレンジの香り」の2品をペアリング。
トーストのような香ばしいフィレンツェ風ビスケットの味わいと、ピリッとしたオレンジピールのような匂いが、さっぱりとしたマリネの味わいと絡み合い、えも言えぬ妙味を醸し出す。クラシックスタイルの「ロングモーン 22年」ならではの“口福感”に浸れる組み合わせだ。
名だたるスコッチウイスキーのブランドは数あれど、130年間の歴史の中でスペイサイドスタイルを守り続けてきたロングモーンの味わいは唯一無二。スキー場のゲレンデから望む純白な銀世界を眺めながら、黄金色に輝く美酒にグラスを傾けるひと時は、忘れがたい冬の思い出になるだろう。