食にいっさい妥協のない美食家たちが選んだ、最上級のB級グルメから「ラーメン」をまとめてお届け! ※GOETHE2024年2月号掲載記事を再編。 【特集 最上級のB級グルメ】
1.らぁ麺 飯田商店「しょうゆらぁ麺」
推薦人 ▶︎ ダイニングイノベーショングループFounder・西山知義氏
“飲食業界の神様”として同業者からも、その動向につねに注目が集まる西山知義氏。類まれなる先見の明を持ち「炭火焼肉酒家 牛角」や「しゃぶしゃぶ温野菜」「焼肉ライク」「イタリアンキッチンVANSAN」「やきとり家 すみれ」など、ヒットさせた飲食ブランドは数しれず。常識にとらわれない店づくりで日本の外食文化に新たな価値をもたらしてきた。その西山氏が愛してやまないのが“キング•オブ•ラーメン”として名高い、湯河原の「飯田商店」だ。
訪れたきっかけは、もともと懇意にしていた中国料理のシェフからの紹介だった。「その方も突き抜けた仕事をされる料理人なので、行くまえからすごく楽しみでした。自分が信頼しているひとにおすすめされたら、まずお店に行ってみる。そうしてご縁がつながった人や店もたくさんあります」
もともと「らぁ麺 飯田商店」は並んだ順にチケットを配布するシステムだったが、あまりの人気に、当日早朝どころか開店前日の夜中から並ぶひとも。あらゆることに配慮し、現在は予約サイトで日にちを開放するというシステムに変更している。
「あのラーメンを味わうことは、ほとんど僕の人生の楽しみのひとつになっていて(笑)、2ヵ月に1度のペースで伺っています」
2.博多麺房 赤のれん 西麻布本店「らぁめん」
推薦人 ▶︎ 稲本健一氏
飲食業界のカリスマ、稲本健一氏が今回挙げてくれた3店のうち2店は、自身が30年、40年と通い続ける“歴史のある”店。
「移り変わりの激しい飲食業界で何十年も店を守り続けていられるのは、味や接客に定評があるから。その歴史を安価に体験できるのだから、ものすごくお得。B級ではなく特級、いや、最上級グルメですよ」
そのひとつが、「飲んだ後の〆は、たいていここのラーメン」と足繁く通う「博多麺房 赤のれん 西麻布本店」。創業1978年、東京における豚骨博多ラーメンの先駆けとされる人気店だ。
「まず水餃子でビール中瓶を1本飲んだ後、ミニラーメンをオーダーして食べる。これが、もう20~30年続くルーティーンですね」
3.ハルピン味噌ラーメン 雷蔵「肉盛りたれ味噌らーめん」
推薦人 ▶︎ 慶應義塾大学大学院教授・岸博幸氏
ウィットに富んだトークと飾らない性格でテレビのコメンテーターなど、多方面で活躍中の岸博之氏。
「ザ・スタミナ食というにふさわしい」と紹介をしてくれた店のひとつが長野の『ハルピン味噌ラーメン 雷蔵』だ。
長野県諏訪市に昭和49年に創業した『ハルピンラーメン』は、ニンニクが効いた秘伝の寝かせダレがやみつきになると全国から通うファンも多い。戦後、日本に帰国したひとりの兵士が、中国で作り方を学んだそのタレを多くのひとに食べてほしいとラーメン屋台を始めたことがルーツになっており、その味をベースに、長野県が誇る“味噌文化”を広めるべく『ハルピン味噌ラーメン 雷蔵』が生まれた。
白味噌をはじめ、諏訪エリアにある6つの老舗味噌蔵の信州味噌をブレンドし、鉄鍋で煮込んだ豚骨スープと寝かせダレを合わせたスープがクセになると評判。
「長野に伝わる食文化と地元で愛されてきたラーメンの融合。にんにくの風味が食欲を刺激し、1度食べたら夢中になるおいしさです」
4.香湯拉麺 ちょろり「ラーメン&半チャーハン」
推薦人 ▶︎ トランジットジェネラルオフィス代表取締役社長・中村貞裕氏
国内外を飛び回り、現地で人気のレストランの東京進出をバックアップしている中村貞裕氏。スクランブルエッグやリコッタパンケーキが有名な『bills』やハワイ好きなら知らないひとはいない『THE PIG&THE LADY』など、日本に新たな食文化を広めてきた中村氏が、東京の滞在時にほっとひと息つく店とは?
「仕事柄、あらゆるエリアのリサーチは欠かせないですが、会社のスタッフやひとりでふらっと行くなら、オフィスがある恵比寿の店に行くことが多いですね」
たとえば、飲んだ〆に欠かせないというのが『香湯ラーメン ちょろり 恵比寿店』。
「もう、どれだけお世話になっているかわからない(笑)。以前は週に1度くらいの頻度で行っていました。ラーメンと半チャーハン、餃子が僕の定番。揚げ葱が香ばしいスープは、酔い覚ましにもぴったりなんです(笑)」
香湯拉麺 ちょろり/Tyorori
住所:東京都渋谷区恵比寿4-22-11
TEL:03-3444-7387
営業時間:11:00~29:00
定休日:日曜