食文化の進化と発展はあらゆるチャレンジ精神のもとにある。2020年に“焼肉の激戦区”として知られる東京・西麻布にオープンし、瞬く間に予約困難店となった「焼肉 うし松」は、美味しさのための研究を重ねる食肉のプロがチーム一丸となり、焼肉のスタンダードを刷新し続けているが、その“第2章”として、2023年10月に麻布十番にオープンしたのが「一鳥目 とり松」だ。
麻布十番に誕生したまったく新しい“鶏焼肉”とは
「本当に旨い焼肉とはなにか」を考え、仕入れから素材を引き立てる調理法まで吟味を重ねてきた「うし松」では、神戸ビーフや特産松阪牛を筆頭に全国から厳選した銘柄牛をコースで提供しているが、今回オープンした新店「とり松」の主役は日本各地の地鶏。もともと親交のあった「南青山 七鳥目」店主・川名直樹さんの協力を得て“串に打たない本当に旨い鶏焼肉”を追求する。
鶏焼肉といえば、三重県松阪市のソウルフードとしても有名。最近はシンプルな網焼きで楽しませるスタイルが全国でも人気を集めているが「とり松」では、和食の技法を取り入れたコースでブラッシュアップした鶏焼肉をはじめとした料理を提供。使用する地鶏とその部位、味付けやプレゼンテーションなど、細部までオリジナリティを追求した、まったく新しい“鶏焼肉”の魅力を提案する。
「うし松」で人気の「縛りタン」をアレンジした「縛りつくね」や「鶏たく手巻き」といった一品料理と、塩・たれ・味噌の3種のもみだれに合わせてさまざまな地鶏の部位を楽しませる鶏焼肉など、全13品が登場するコースは15,400円。
各テーブルには鶏焼肉をベストの状態に仕上げるスタッフがつくため、デートやカジュアルな会食といったシーンにもぴったりだ。
総料理長に抜擢された佐藤拓弥さんは「アンダーズ東京」でキャリアをスタートし、「うし松」では料理長を務め、和牛の美味しさを最高潮に引き出すべく尽力。
全国を食べ歩くのが趣味という根っからの食いしん坊気質でもある。「焼肉はもちろん、もともと焼鳥も大好きで(七鳥目の)川名さんの焼きの技術にすごく感銘を受けました。地鶏は飼料や飼育環境によって大きく個性が異なりますが、自分たちの方法でその魅力を表現するならどうするかチームで熟考し、これまでになかった鶏焼肉のコースに行き着きました。『うし松』で培ったノウハウを生かしながら、日本の地鶏のエネルギッシュな美味しさを伝えていきたいです」と意気込みを見せる。
予約開始日には『うし松』ファンやSNSでの情報解禁を心待ちにしていた食好きからの問い合わせが殺到。日本の鶏焼肉の新しい歴史は、きっとここから始まる。