GOURMET

2023.09.12

"和の特等席"が誕生! 東麻布の新隠れ家「膳司 水光庵」潜入

都心の路地の一角に、和の特等席が誕生した。茶の湯の心が息づく数寄屋で楽しむ料理は季節感溢れる美しさ。今回は、東麻布の「膳司 水光庵(カシワデノツカサ スイコウアン)」を紹介する。

「膳司 水光庵」の但馬牛の炭火焼き
焼物の一例「但馬牛の炭火焼き」(2名分)。江戸切子の酒器は家紋入り。

京都で培われた美意識と、茶の湯の心が息づく隠れ家

「文化薫る真正日本料理店」をコンセプトとして2015年にオープンした「膳司 水光庵」が、2023年6月に東麻布でリニューアルした。

以前の店舗は諸事情で紹介制だったが、新店舗は否。「吉兆嵐山 本店」の副料理長として活躍した亭主・石田知裕氏による正統派の日本料理を、京都の数奇屋大工が手がけた和の空間で誰もが楽しめるようになった。

「膳司 水光庵」の店内
銘木・北山杉を配したカウンターは8席。店名の「膳司(カシワデノツカサ)」は、かつて宮中の料理や配膳をつかさどった大膳職(オオカシワデノツカサ)への謙遜を込めたオマージュに由来している。

石田氏は料理人であるだけでなく、休日は茶道・書道・生花の稽古の指導も行う、伝統文化の継承者。手がけるコースは、茶懐石の流れを汲み、煮えばなのご飯と赤出汁からスタートする。続いて供される先付や八寸、お椀はいずれも旬の食材を生かした端正な趣。

9月には9日の重陽(ちょうよう)の節句にちなみ、菊の花を真綿で覆った菊の被綿(きせわた)をあしらうなど、有職故実(ゆうそくこじつ)に基づいた風雅な演出も楽しませてくれる。

「膳司 水光庵」の煮えばなのご飯、赤だし、日本酒
席に着いて最初に出される煮えばなのご飯、赤出汁、日本酒。
「膳司 水光庵」の菊の被綿の演出
重陽の節句にちなんだ菊の被綿の演出。

季節の表情を細やかに映したコースは15品。終盤は岐阜県産の大粒の米「龍の瞳」を3回にわけて楽しむ趣向で、1膳目は自家製カラスミご飯、2膳目は季節の土鍋のご飯、3膳目はさまざまなおかずを添えたご飯が登場。

粋を凝らした空間で抹茶と甘味を味わう頃には、お腹も心も穏やかに満たされている。

「膳司 水光庵」の石田氏
亭主の石田知裕氏。「吉兆嵐山 本店」副料理長を経て2015年に独立し、東京・三田で開業。2023年6月に移転リニューアル。

膳司 水光庵/カシワデノツカサ スイコウアン
住所:東京都港区東麻布2-14-8 フィルパーク東麻布1F
TEL:070-4488-3877
営業時間:16:30~/20:00~(一斉スタート)
定休日:日・月曜
座席数:カウンター8席、個室1室(~6名)
料金: ¥49,500~

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=古谷利幸

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