GOURMET

2023.09.13

現代アートを眺めながら天ぷら会席を。完全予約制「麻布十番 真田」

都心の路地の一角に、和の特等席が誕生した。6席のカウンターでは、現代アートを眺めながら天ぷら会席を。今回は、「麻布十番 真田(アザブジュウバン サナダ)」を紹介する。

「麻布十番 真田」の八寸
八寸の一例。北海道産毛蟹、酢飯をのせた岩手県産ウニ、青森県産岩もずく、鬼灯。

旬の味覚を満喫できる、神戸ビーフと天ぷらの割烹

麻布十番の路地でひっそりと開業した「麻布十番 真田」は、ホテルオークラ神戸「山里」の副料理長として活躍した真田篤史氏による天ぷらと神戸ビーフの割烹。真田氏は、通常は神戸の天ぷらの名店「花歩(かほ)」におり、東京の店は予約時のみ営業するため完全予約制だ。

「麻布十番 真田」の真田氏
料理人の真田篤史氏。

約15品のおまかせコースは、メニューから選べる飲物を含め6万500円。「少しでもいい肉を手に入れるため」に真田氏が競りで一頭買いする神戸ビーフは、その時々で料理方法が変わるが、ステーキの場合は炭で焼いて藁で香りを付けるのが真田式だ。A5ランクでありながらもあっさりと感じられるのは、神戸ビーフの脂の融点が低いため。

「麻布十番 真田」のステーキ
神戸ビーフ シャトーブリアンのステーキと但馬産「コウノトリ育むお米」土鍋ご飯。

もうひとつの看板料理の天ぷらは、太白(たいはく)胡麻油で軽やかに揚げる関西スタイル。目の前で殻を剥いて揚げる活車海老や淡路のキス、とろけるようなサツマイモなど、真田氏ならではの天ぷらを味わわせてくれる。

「麻布十番 真田」の海老の天ぷら
長崎県産活車海老の天ぷら。
「麻布十番 真田」のサツマイモの天ぷら
定番のサツマイモの天ぷら。3時間かけて100~120度の油で揚げられた茨城県産紅はるかは、とろけるような柔らかさ。皮は香りが凝縮して、焼き芋のような風味も楽しめる。

主役は天ぷらと神戸ビーフだが、先付や八寸などもベテランの貫禄とサービス精神を感じさせる逸品ばかり。例えば夏は蒸したての北海道産毛蟹をほぐして味噌と和えたりと、旬の最上級の食材に嬉しいひと手間をかけて堪能させてくれる。

「麻布十番 真田」の店内
店内は日本人アーティスト KYNE(キネ)の作品が飾られたカウンター席のみ。2023年5 月オープン。

麻布十番 真田/アザブジュウバン サナダ
住所:東京都港区麻布十番2-6-2 THE CITY 麻布十番Ⅰ AVANTI 2F
TEL:03-6231-1756(予約受付10:00~23:00)
営業時間:予約時に応相談
定休日:不定休(完全予約制) 
座席数:カウンター6席
料金:¥60,500(飲物込)

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=古谷利幸

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