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2023.08.01

味享|1年分の予約が一瞬で埋まる、伝説の『京味』を継承する日本料理店

美食を追求する秋元康小山薫堂中田英寿見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2023」。食の悦びを教えてくれた原点を紹介する。今回は東京・新橋の「味享(みたか)」。

「味享」のカウンター
兄弟子たちがスタートを切った店舗を受け継ぎ独立。2023年で5年目になる井上享俊氏。

見城徹「『京味』の料理を受け継いでいける人間力に納得」

『京味』で10年。故・西健一郎の秘伝の味、技術、精神性をしっかり身につけ2018年11月に独立。

見城 新橋の『笹田』『星野』が独立した場所に井上享俊さんが入って『味享』に。

小山 本当に予約が取れません。

見城 年一回の予約日に一年分の予約が一瞬で埋まってしまうんです。僕はひと月おきに席を確保しています。『京味』の料理そのものが味わえますよ。

秋元 僕も行きましたが、素晴らしく正統派の料理で、西健一郎の魂がまさにここに生きているのだと思いました。

「味享」の雲丹茄子
「雲丹茄子」。温かい茄子の田楽に冷たい雲丹をのせることを発案した師匠のエピソードを添えて。
「味享」の蕗の炊き合わせ
バチコを通した蕗ふきが印象的な炊き合わせ。

見城 井上さんにはものすごく人間力があって。ああ、こういう人が『京味』の料理をちゃんと継承していけるんだなと納得できるんですよ。ただ、すべてが『京味』というのは本人が嫌らしくて自分の創意工夫も加えたりしていますが、基本はもう全部『京味』なんです。

中田 お弟子さんはたくさんいても『京味』を継承できる人は少ないんでしょうね。

見城 うん、修業時代に西さんの何を見ていたか、西さんの言葉に何を感じとっていたか。精神性まで理解していないとね。京味に1000回以上行っている僕が『京味』を味わえるなと思うのは『井雪』か『味享』だなと感じています。

秋元 僕もそう思います。

「味享」のあいなめのお椀
骨切りが美しいあいなめのお椀。出汁の濃淡も季節はもちろん、その日の気候によって調節する。

見城 西さんの思い出話をしながら食べられるのも嬉しいの。「親方がこういう工夫をしてこの料理が生まれました」というエピソードを一緒に共有できる。それに、西さんの「安い素材こそ手をかけてどうやって美味しくするか工夫を重ねる」という言葉を体現しようと努力しているんだよね。

秋元 そういう西さんの珠玉の言葉を、ちゃんと心に刻んでいる若手がいるのが嬉しいですね。芋茎(ずいき)や茄子のうてなを食べるとじんとします。

見城 小鉢の中に西さんへの尊敬の念と、師匠を超えるにはどうしたらいいのかという葛藤が見える。どんどん成長していくんだろうね。今の店はちょっと狭いから、将来の移転も含めて今後がますます楽しみです。

「味享」の芋茎の吉野煮
「芋茎の吉野煮」。灰汁の抜き方、出汁の煮干しの分量などを工夫。
「味享」の筍と台の黒胡麻炊き
「筍とうてなの黒胡麻炊き」。捨てがちな茄子のヘタ(うてな)を活用した『京味』の名肴。
「味享」のわらび餅
わらび餅は、きなこをまぶすのではなく別添えにしたのが井上流(料理はすべておまかせの一例)。

味享/Mitaka
「安い食材にこそ手をかけるのが真の料理人」という師匠の言葉を胸に、さまざまな工夫をこらし、素材の味を最大限に引きだして提供する。いずれの料理も滋味深く、身体に染み入る。

住所:東京都港区新橋1-18-8 報徳ビル1F
TEL:03-6812-7168
営業時間:18:00~/20:30~(二部制)
定休日:不定休
座席数:カウンター8席
料金:食材により変動。予算¥40,000~

【特集 ゲーテイスト2023】

この記事はGOETHE2023年8月号「総力特集:号泣レストラン」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=太田隆生

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