GMOインターネットグループの代表として精力的に活躍しながら、アート・DJ・プライベートジェットの操縦と自身の好奇心も徹底的に追求する熊谷正寿氏。会食も含め、国内外では数々の美食を経験し料理人たちとの交流も多いが、実はお取り寄せをする頻度は高くないという。だからこそどんな基準で選ぶのか、そのとっておきの逸品を紹介してもらった。【特集 最高のお取り寄せ】
取り寄せるのは、料理人の熱い思い
会食のスケジュールは常に半年先まで予定済み。そんな接待の場となる飲食店の卓越した味ともてなしこそがビジネスの武器になっていると、美食を提供してくれるシェフのたゆまない努力と情熱に対し常に敬意を払うのがGMOインターネットグループ熊谷代表だ。
多くの経営者たちから「おもてなしの達人」と呼ばれる熊谷氏。
自ら料理人を招待し 、日頃のもてなしに感謝の意を伝える会を催すほか、事業においても作り手が料理に没頭できるようにと、予約や顧客の管理を一括して行うことができる予約サービス「OMAKASE byGMO」も提供。食の力を信じ、唯一無二の味を生みだす料理人に対する信頼は揺るがない。
そんな熊谷氏にとってお取り寄せとは「モノとしてではなく、それを作っている方の思いを取り寄せること」と語る。
「この3店のシェフたちは、お客様に感動を与えるために、命がけといっていいぐらい真剣に日々試行錯誤されてらっしゃる。そんなシェフ達の美味しいものを追求する熱い思いの延長線上にあるのが、お取り寄せだと思うんです。お店に行くたびに本当に最高だと驚かされるシェフ達が手がけるならば、お取り寄せも間違いなく感動します」
熊谷正寿のとっておきのお取り寄せ3選
1.店舗の予約は2年待ち?! 美食家の心を掴んだ餃子
わさ「手作り餃子・焼売セット」
店舗はわずか8席の、超予約困難なヌーベルシノワの名店。岐阜・開化亭を経て独立したオーナーシェフ山下昌孝氏が、妥協許さぬ仕事でゲストを魅了する少量多皿のコースでも供されるのがこの餃子だ。
「少しでも味をよくするためにと、何日もお店に泊まり込んで水や油を研究されるなど本当に命がけで試行錯誤されている山下さん。彼の作る餃子は、僕の人生のなかでこれ以上の餃子を食べたことないと思える感動の味です。お店はなかなか予約が取れませんが、その味が家で食べられるのはうれしいですよね」
2.究極の焼肉を追求する、肉のプロが選んだ牛肉
西麻布 焼肉 X 〜TEN〜「但馬玄サーロインすき焼きセット」
ダイニングイノベーション代表の西山知義氏が“究極の焼肉”を追求すべく、つくったのが「西麻布 焼肉 X 〜TEN〜」。
「僕が飲食業界で最も尊敬している西山さんが、『最も美味しいお肉』と教えてくれたのがこの但馬玄(たじまぐろ)。脂が非常に特徴的で、口どけがよくて滑らかなんです」
一般的な和牛の脂の融点が25℃なのに対し、但馬玄の融点はマグロと同じ12℃。そのことから但馬玄(たじまぐろ)と、名付けられたという。すき焼きセットは霜がバランスよく入った極上のサーロインを自家製割り下でいただく。
3.世界一美味しいスパニッシュのシェフが監修
BLANCA「バスクチーズケーキ」
BLANCA(ブランカ)は、ミシュランで4年連続一つ星を獲得したスペイン料理の名店acá(アカ)のオーナーシェフ東鉄雄氏が監修する、プレミアムスイーツブランド。
「世界中で食べたスペイン料理のなかで、一番おいしいと思ったのが日本橋のacá。ミシュランの星の基準に“そのために訪れる価値がある店”というのがありますが、ここは世界の裏側にあっても訪ねていきたいお店です。それほどの東シェフのファンなのでお取り寄せしてみたら、やっぱり間違いなかった。うまく言葉にできないのですが、acáの料理に共通したこだわりのおいしさを感じました」
熊谷正寿/Masatoshi Kumagai
1963年長野県生まれ。1991年、ボイスメディア(現・GMOインターネットグループ)を設立し、1999年株式上場を果たす。「すべての人にインターネット」 を合言葉に、インフラ事業や暗号資産事業などを展開しグループ108社を擁すGMOインターネットグループを率いる。