「アイテムを何にするか以前に、どうやって自分の心を伝えるか。そこに心を配るべき」というのは、経営者仲間から”傑出したおもてなしの達人”と評されるGMOインターネットグループ代表・熊谷正寿氏。ひと手間に、手土産の本質が表れることを教えてくれた。
自らの心を伝える手土産
「手土産は、単なるモノではありません。自分の“心”を差し上げる大切なものだと思います」と、その本質を説くのはGMOインターネットグループ代表・熊谷正寿氏。普段会食する相手は、豊富な手土産の経験がある方がほとんど。
さらに多人数の会食の際には、それぞれが手土産を持ってくるので、誰からのものかわからなくなることさえある。そんな手土産の現実を熟知した熊谷氏が実践するのが、“心ばかり”と書かれた熨斗(のし)を必ずつけて渡すこと。
「贈る方に自分の気持ちを一言添えたいということもありますし、手土産を最終的に受け取るのはご本人ではなくご家族なんです。飲んで帰っても、手土産に熨斗がついていれば誰と会っていたのか分かりますし、仕事への理解もしていただけるはずです」
贈るアイテムも、奥様や娘さんなどご家族が笑顔になるものをと、ラグジュアリーブランドのコスメを用意。また、心に残るようにオリジナルのプリザーブドフラワー「GMOフラワー」を作成。さらに、お祝いなどの特別な場合は、オーナメントをバカラに特注。別注でメッセージも入れ、世界でひとつのアイテムを用意する。
「どんな手土産を渡すか、その選択ももちろん大事ですが、一番大切なのは熨斗で包むこと。私の気持ちを一緒に届ける、それが手土産だと思っています」
熊谷正寿のとっておきの手土産3選
1.特別な時は唯一無二のものを
バカラ特注「オリジナルオーナメント」
「20年以上前からお祝いなどの特別な時にはバカラの『No.1』の形をしたオーナメントを贈っていたんですが、廃盤になってしまったため、現在はGMOインターネットグループのために特別に作っていただいています」というのが、この高さ30㎝ほどのオリジナルのオーナメントだ。贈る時には必ず相手の名前や日付、熊谷氏からのメッセージなどを、別注で側面に刻印。まさに世界でひとつだけの特別な手土産だ。
2.ご家族が喜ぶ人気商品をチョイス
ラグジュアリーブランドのコスメ
ラグジュアリーブランドから選ぶだけではなく、冬なら保湿クリーム、夏ならシャワージェルや日焼け止めなど、その時期人気のアイテムをランキング等で必ずチェックして用意するそう。そして、どんな手土産でも必ずつけるのが、“心ばかり”と書かれた熨斗だ。
「いきなり女性用のコスメを持って帰ってきたら、ご家族もビックリすると思いますが(笑)、熨斗をつけてあるのでお仕事も理解していただけるはずです」
3.箱を開けたときのワクワク感も
プリザーブドフラワー「GMOフラワー」
「手土産は、受け取った相手の心に残るように」という考えのもと、熊谷代表の発案でプリザーブドフラワーをアレンジしたフラワーボックスをオリジナルで作成。真っ赤な薔薇だけを集めたデザインも、シンプルで高級感を表現しようと熊谷代表のアイデアによるものだ。
今後は渡す相手やシチュエーションなどにあわせて、異なるデザインも検討中。箱を開けたときの笑顔がさらに増えるはずだ。