食に対して尋常ではない情熱を傾ける、秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が厳選したとっておきの店を紹介する、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2022」。フレンチ、イタリアン、スパニッシュ、洋食…。クリエイティヴィティに富んだ百花繚乱の洋のレストランを紹介。【Part3:洋の絢爛】
小山薫堂「素材の味がストレートに伝わってきてモダンなんだけど疲れない」
スペインの古典料理を大切にしながらも、日本の季節の食材も多用してモダンに表現するスパニッシュ。京都で評判を上げ、2020年8月東京に移転。東鉄雄シェフがこりに凝った唯一無二の空間も必見。
見 ほんのこの間なんですけど、やっと行けました。噂に違(たが)わぬ素敵な店でしたよ。薫堂は京都の時から通っていたの?
小 いえ、京都の時は行きそびれちゃって。オープン当初はそんなに予約困難なお店ではなかったから、そのうちに、と思っている間にミシュランの星がひとつついて、予約が取れなくなってしまったんですよね。東京に来てやっと一度だけ行くことができました。
見 入口の鉄の扉、その先に続く古城に迷いこんだみたいな空間。煉瓦や赤土の壁はスペイン風でもあり、奥に奥に入っていく感じは京都の町屋のような趣もあって、とても落ち着くよね。
小 料理もモダンスパニッシュだけど、日本の厳選された食材で季節感を出していて、親しみやすい。東さん、毎週末に京都・大原の畑に野菜を採りに行っているんですよね。
見 野菜や魚介を使った料理が多くて、素材感が和食のような繊細さで生かされている。僕は鮨ネタでも小肌が大好きなだけに、東さんのボカディージョに心摑まれたよ。一瞬「鮨?」と思ったら下はトマトを練りこんだパンだった。美味しいだけじゃない、驚きのある料理をしたいってバスクで修業した時に思ったそうだよ。
小 驚きはあるけど食べ疲れない。緩急のあるよく考えられたコースですよね。素材感を大切にしているから何も考えずに美味しいと感じることができて。
見 うん、情報量が多すぎない。洗練の度合いがほどよいのはスペイン料理だからかな。東さんがこうやって注目されることで、日本の心と技で作るスペイン料理が増えるといいね。若いスタッフたちもいい働きぶりで将来が非常に楽しみ。そういう意味でも僕は東さんに「東京に来てくれてありがとう」と心から思っているよ。
スペイン料理 アカ
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井2号館
TEL:03-6262-5090
営業時間:17:00~/20:30~(2部制)、土曜12:00~、17:00~
定休日:日曜
席数:カウンター8席、個室1室(~4名)
料金:コース¥30,250
【ゲーテイスト2022】※6月24日までに全公開!
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