MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

GOURMET

2023.06.23

日本一に輝いた市販日本酒とは? 世界最大級「SAKE COMPETITION 2023」の結果発表

これまで世界最大級の日本酒の品評会として、日本全国の酒蔵から選りすぐりの逸品を選出してきた「SAKE COMPETITION」。その約4年ぶりとなる表彰式が、ザ・ペニンシュラ東京で開催された。

日本酒品評会「SAKE COMPETITION 2023」

日本酒好きによる日本酒好きのための祭典

「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」

そんな理念のもと2012年にはじまった日本酒の品評会「SAKE COMPETITION」。毎回、世界に誇る日本の伝統工芸や食文化を発信してきた中田英寿氏がプレゼンターを務め、2019年には総出品数1919点という世界最大級のコンペティションにまで拡大。惜しくも2020年からコロナ禍の影響により一時中止を余儀なくされていたが、2023年、約4年ぶりとなる第9回目が開催された。

「SAKE COMPETITION 2023」の受賞者

左から「純米吟醸部門」を受賞した相原酒造の相原準一郎氏、「純米大吟醸部門」を受賞した大嶺酒造の秋山剛志氏、「純米酒部門」を受賞した大和蔵酒造の山内信雄氏、「Super Premium部門」を受賞した清水清三郎商店の清水慎一郎氏。

5月に行われた審査会では、日本全国の酒蔵から市販されている日本酒のみが集まり、完全に銘柄を隠した状態でテイスティング。日本酒の杜氏や技術者、販売者など、日本酒に関わるさまざまな業種から推薦で選ばれた審査員20名が1000点にのぼる日本酒の品質を厳正に審査。今年はあえて例年より総出品数を絞ることで、銘柄ひとつひとつがより丁寧に吟味され、これまで以上に“旨い日本酒”が選び抜かれた。

また表彰式では、各銘柄の味わいや香りを評価した「純米3部門」だけでなく、次世代の造り手を応援する目的で創設された「ダイナースクラブ若手奨励賞」や、受賞した銘柄が日本航空国際線ビジネスクラスで提供される「JAL空飛ぶSAKE賞」などの特別賞も発表。日本酒アプリ「Sakenomy」で5品以上の商品が評価され、すべての平均点が1番高い酒蔵に贈られる「Sakenomy Best Brewery of the Year」では、「十四代」で知られる山形県の高木酒造が第1位を獲得した。

詩人の吉田類氏と大和蔵酒造の山内信雄氏

詩人の吉田類氏(左)と「純米酒部門」を受賞した大和蔵酒造の山内信雄氏(右)。

会場には中田氏だけでなく、「酒場詩人」の愛称で知られる吉田類氏や、女優であり「きき酒師」の資格も持つ村川絵梨氏など、日本酒をこよなく愛するプレゼンターが登場。各部門の受賞者に記念のトロフィーを手渡し、選ばれた銘柄の感想とともにお祝いの言葉を贈った。

毎回大きな注目を集める「純米大吟醸部門」では、山口県に蔵をかまえる大嶺酒造の「大嶺2粒 火入れ 山田錦」が1位を獲得。酒蔵ができてから約5年という短い歳月での受賞に、会場からは驚きの声があがった。プレゼンターを務めたフリーアナウンサーの宇賀なつみ氏は、「口に含んだ瞬間ふわっと華やかで、でも後味はスッキリしていて、今もまだ余韻が残っていて幸せな気持ちになるお酒だと思いました」と、銘柄を試飲した時の喜びを語った。

フリーアナウンサーの宇賀なつみ氏と大嶺酒造の秋山剛志氏

フリーアナウンサーの宇賀なつみ氏(左)と「純米大吟醸部門」を受賞した大嶺酒造の秋山剛志氏(右)。

さらに今回の品評会で、コロナ禍で開催できなかった4年間の日本酒の“進化”を感じたという中田氏。表彰式後の取材で「若い人たちには当然のことですが、インターネットで情報を集めながら酒造りをしている酒蔵が多いと思います。それだけに今はどのようなお酒が人気があり、飲まれやすいのか、発信を含めて情報の使い方が非常にできている。それが結果に反映されやすくなったと思いました」と、技術だけでない日本酒の発展について語った。

プレゼンターの中田英寿氏

プレゼンターの中田英寿氏(左)と「Sakenomy Best Brewery of the Year」を受賞した高木酒造の髙木辰五郎氏。

ここ数年、コロナ禍で飲食店の営業時間が制限されるなど、厳しい状況が続いた日本の酒類業界。しかし、そんななかでも海外に向けたマーケティングを広げるなど、さまざまな取り組みを通して多くの生産者が挑戦を続けてきた。そして今、日本全国の酒蔵はさらなる変化を遂げようとしている。

2025年に開催される「大阪万博」など、今後も大きな盛り上がりが期待される日本酒。今年のコンペティションで選出された銘柄を実際に飲み比べて、今のトレンドやその特徴を学びたい。

 

・純米酒部門

1位:大和蔵酒造(宮城県) 「雪の松島 海 -KAI- ひとめぼれ 純米原酒」
2位:宝剣酒造(広島県) 「宝剣 純米酒 レトロラベル」
3位:大木代吉本店(福島県) 「楽器正宗 純醸」

・純米吟醸部門

1位:相原酒造(広島県) 「雨後の月 純米吟醸 山田錦」
2位:亀泉酒造(高知県) 「亀泉 純米吟醸 吟麓」
3位:今田酒造本店(広島県) 「富久長 八反草 純米吟醸」

・純米大吟醸部門

1位:大嶺酒造(山口県) 「大嶺2粒 火入れ 山田錦」
2位:相原酒造(広島県) 「雨後の月 純米大吟醸 愛山」
3位:みいの寿(福岡県) 「三井の寿 純米大吟醸 福」

・Super Premium部門

1位:清水清三郎商店(三重県) 「作 智」
2位:土井酒造場(静岡県) 「開運 純米大吟醸 諸法無我」
3位:外池酒造店(栃木県) 「外池 AUTHENTIC 純米大吟醸 袋吊り雫酒」

・ダイナースクラブ若手奨励賞

大和蔵酒造(宮城県) 杜氏・関谷海志氏

・JAL空飛ぶSAKE賞

峰乃白梅酒造(新潟県) 「峰乃白梅 純米吟醸」

・Sakenomy Best Brewery of the Year

1位:高木酒造(山形県) 代表銘柄:「十四代」
2位:新政酒造(秋田県) 代表銘柄:「新政」
3位:阿部酒造(新潟県) 代表銘柄:「あべ」

TEXT=ゲーテ編集部

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年6月号

ボルテージが上がる! 魂のハワイ

2024年6月号表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

2024年6月号

ボルテージが上がる! 魂のハワイ

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ6月号』が4月25日に発売となる。今回のテーマは、安息と刺激が共存するハワイ。オアフ島に加え、ハワイ島、ラナイ島と3島にわたるアイランド・ホッピングを総力特集! 知る人ぞ知る、超プライベートリゾートから、新しくオープン&リニューアルしたホテル情報、最旬グルメ、死ぬまでに一度はみたい絶景、最新ゴルフ場事情など、今知りたいハワイを完全網羅する。 表紙は、ソロアーティストとして新たな道を突き進む、三宅健と北山宏光のふたりが登場。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる