ブランパンが5つの複雑機構を搭載した時計「グランド ダブル ソヌリ」を発表した。

4つの鐘で2種類のメロディーを鳴らす超絶機構
1735年にスイスで創業し、2025年に290周年を迎えたブランパン。現存する世界最古の時計ブランドであり、自社一貫で機械式時計のみを製造する。長い歴史の中で培われてきた圧倒的な技術力に基づく高品質なタイムピースは、世界中の時計愛好家から高い評価を受け続けている。
新たに発表された「グランド ダブル ソヌリ」は、ブランパン史上最も複雑で希少な時計だ。
社長兼CEOであるマーク A. ハイエック氏が直々に本モデルの開発に着手。前例がないのはもちろんのこと、複数の複雑機構を搭載した最上の時計を実現するのに要した期間はなんと8年。
開発過程で21の特許が出願され(うち13をムーブメントに搭載)、時計を構成する部品の総数は1116個にも及ぶ。
本作には、グランドソヌリ・プチソヌリ・ミニッツリピーター・フライングトゥールビヨン・レトレグラード永久カレンダーの5つの複雑機構が搭載されている。
その中で最も高度な複雑機構が、グランドソヌリとプチソヌリだ。ソヌリとはフランス語で「時鐘」を意味し、定時になると自動的に時計内のハンマーがゴング(鐘)を叩き、音で時刻を知らせてくれる機能のこと。
グランドソヌリは毎正時と15分・30分・45分に鐘を鳴らし、プチソヌリは毎正時にのみ時報を奏でる。ケースサイドのセレクターを切り替えることで2つの機能のどちらかを選択することが可能だ。

一方、ミニッツリピーターは任意のタイミングで時刻を音で教えてくれる。いずれも、中世ヨーロッパにおいて人々が教会の鐘の音で時刻を判断していたことを起源とするロマン溢れる機能だ。
これらの機能は、高音と低音の2つの音色を組み合わせることで時刻を告げるのが一般的。一方で本モデルにはその倍となる4音(ミ・ソ・ファ・シ)が搭載され、9時から12時位置にある4つのゴングが打鐘される様子を鑑賞することができる。
さらに、4つのゴングを搭載したことで2種類のメロディーを奏でられるのが本モデルの真骨頂。一つはクラシックなウェストミンスターの鐘の音色、もう一つは世界的ロックバンド「KISS」のドラマーであるエリック・シンガー氏が書き下ろしたオリジナル曲『ブランパン』だ。
メロディーを構成するのに適した完璧な音程・テンポ・音質を実現するため、ゴングの素材や音響の探求、途方もない数のテストが繰り返されたという。
7時位置にはフライングトゥールビヨンがあり、時計の左外周には針が扇状に動き、終点に達すると瞬時に始点に戻って再び動作を始めるレトログラード方式の日付表示が配置される。
曜日と月表示、うるう年表示は2時と4時位置に分散して配置することで、メカニカルなデザインを強調しながらも視認性に優れたデザインに。これらは時計が動き続ける限り日付調整が不要なパーペチュアルカレンダーとなっている。

極めて複雑なムーブメントにもかかわらず、本モデルのサイズは直径47mm・厚さ14.5mmに収まり日常的に着用が可能。96時間の駆動時間を誇る、実用性と5つの複雑機構を両立させた驚異的な時計なのだ。
製造に携わることができるのは、ブランパンの中でも10年以上のキャリアをもつ特に優秀な時計師2人のみ。それぞれが年に1本しか制作することができないため、本モデルを手に入れることができるのは毎年たった2人だけだ。オーナーの要望に合わせてカスタムメイドされるため、まさに唯一無二の時計となる。
ブランパンだけでなく機械式時計の歴史においても永遠に語り継がれるであろう名作。澄んだ鐘の音色が奏でるメロディにロマンを感じ、比類なきメゾンの技術と歴史を体感できるタイムピースだ。

年間2本の製造。手巻き、18KRGまたは18KWGケース、径47mm。価格は要問い合わせ
問い合わせ
ブランパン ブティック銀座 TEL : 03-6254-7233

