2024年、H. モーザーがF1からロードカーまで手がけるアルピーヌ・モータースポーツとのパートナーシップを発表。その真意を取材すべく、4月に鈴鹿で行われたF1日本グランプリに合わせて来日中だった、H.モーザーのインターナショナル セールス ディレクター、ニコラス・ホフマン氏に話を聞いた。
「ともに成長していけるという確信がある」
H.モーザーとアルピーヌ・モータースポーツ、その両者のパートナーシップが発表された時「ちょっと意外だな」という想いを抱いた人も多かったかもしれない。
H.モーザーは「ストリーム・ライナー」や「エンデバー」という主軸モデルで支持を得つつ、独創的なモデルを精力的に発表してきたラグジュアリーウォッチブランド。同ブランドでインターナショナル セールス ディレクターを務めるニコラス・ホフマン氏は、次のように話す。
「ブランドとして新しいステップに進む時だと感じています。今後はモータースポーツのみならず、多角的にパートナーを組んでいきます。
この契約のメリットは主に3つ。ブランドの認知が上がること、ユーザーの顧客経験としてモータースポーツの世界観を提供できること。そして、アルピーヌのメカニズムを時計に生かすことです。
耐久性の高い素材使い、軽さを追求する姿勢など、学ぶことは多いと感じています。アルピーヌはF1のトップチームではないのですが、チームみんなで上を目指している姿に、我々自身の姿を投影しているところがあります」
H.モーザーのチームには「顧客を驚かせたい」「人と違うものを提供したい」というアイデンティティが根付いているという。
「アイデアを素早い速度で検証し、判断している会社だと思います。だからこそ、アルピーヌとも野心的なモデルを作っていきたい」
他にも候補があったが、H.モーザーに即決した
ホフマン氏のインタビューを続けていると、アルピーヌCOOのデビッド・ジェンドリー氏がジョインしてくれた。
「このパートナーシップを決めるときに、他にもいくつかのブランドが候補にあがったんだ。でも、僕たちは即答だった。H.モーザーがいいと。
美しいし、着けていると誇りに思えるし、それでいてとてもユニークなブランド。情熱的なモノ作りをしていて、トップを目指すという将来性にも共感を抱いている。これからもっともっといい関係が築けるように努力していくよ」
最後にジェンドリー氏に、「この仕事の醍醐味」と「多くのフランス人メンバーを率いる難しさ」について聞いた。
「この競技は嘘がつけない。やってきたことが如実に表れるというのが面白いところなんだ。アドレナリンもすごく出る。あとは人だよね。いろんな人に出会って仕事ができるのは本当に楽しいんだ。
もうひとつの質問は、チームには大きく言うと1200人が関わっていて、いろんな意見がいろんなところで飛び交っている。それに、フランス人は爆発力とクリエイティビティに優れている。だから私はさまざまな個性を束ね、代表として勇気を持って決断し、チームやクライアントに忠実に仕事をすることを意識しているんだ」
H.モーザーとアルピーヌ。どこか似たもの同士のコラボレーションから、未知なる新作が生まれていくだろう。
その歩みに引き続き、注目したい。
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