2023年は、近年まれにみるラグジュアリーウォッチの当たり年。本特集ではその中でも特に、“美しい時計”を厳選。今回は、グラスヒュッテ・オリジナルを紹介する。【特集 美しい時計】
積み重ねてきた歴史が新しいスタイルを生みだす
ドイツ時計の歴史は複雑だ。F.A.ランゲがグラスヒュッテで時計ブランドを興したのが1845年のこと。その後、この街にいくつかの時計ブランドが生まれたが、冷戦下は東ドイツ政府によって国営化され「グラスヒュッテ時計産業公社(GUB)」となる。
そして東西ドイツが再統一されると、いくつものブランドが再興するなかGUBの資産を受け継いだのが、グラスヒュッテ・オリジナルである。
このブランドの特徴は、伝統を大切にしながらも、決して立ち止まらないということ。アバンギャルドにデザインや表現を遊ぶことで、グラスヒュッテの時計文化の奥深さと面白さを伝える。“まじめ”だけではないドイツ時計の奥深さを堪能できるブランドなのだ。
パノインバース・リミテッド・エディション
精度をつかさどる繊細な調速脱進機を、敢えて強調するようにダイヤル側にレイアウトする大胆な設計が持ち味。大きなムーブメント地板には、ビルが建ち並ぶ摩天楼の様子をグラフィカルに表現した。世界限定50本。
▶︎ 3/4 Plate
歯車やレバーを大きなパーツで押さえることで、耐衝撃性能を高めつつ、ゴミやホコリの侵入も防ぐ。パーツ面が広いので、そこにストライプ装飾やエングレービングなどを施している。
▶︎ Gold Chatons
グラスヒュッテの伝統的な装飾技法のひとつで、人工ルビーの穴石をゴールド製のパーツに収め、3本のビスで固定する。かなり手間のかかる仕上げだが、その分とても美しい。
▶︎ Double Swan Neck
調速脱進機の調整を細かく行うことができるスワンネック緩急針を、ふたつ搭載。シンメトリックな美しさを堪能することができる。
セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト
1970年代にGUBが製作していたクッション型モデルのエッセンスを抽出。6時位置に大型のカレンダーを配置、12時位置の小窓は12時間の積算計。機能性も魅力だ。
シックスティーズ・スモールセコンド
1960年代に製作していた端正なラウンドウォッチの現代バージョン。シンプルモデルに初のスモールセコンドモデルが登場した。マットグリーンのストラップが、レトロ感に華を添えている。
問い合わせ
グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座 TEL:03-6254-7266