2023年は、近年まれにみるラグジュアリーウォッチの当たり年。本特集ではその中でも特に、“美しい時計”を厳選。今回は、A. ランゲ&ゾーネを紹介する。【特集 美しい時計】
一本筋が通ったドイツらしい時計
A. ランゲ&ゾーネの美しさの源泉は、その信念にある。新型モデルを開発する際に必ずムーブメントも開発し、既存品を使い回しすることはないため、ケースサイズが変わってもアウトサイズデイトやスモールセコンドが、中途半端な位置に来ることはない。
その均整の取れたダイヤルの素晴らしさは、意識しなければ気づかないかもしれない。しかし、違和感がなく目になじむデザインこそが、ブランドが目指すところなのだ。
またムーブメントの美しさも特筆すべき点。徹底的な手仕事による仕上げは、息をのむほど細かくて繊細。ブリッジのエッジを丁寧に磨き上げるなど、伝統的な仕上げにこだわる。それもまた信念がなせる業なのだ。
ダトグラフ・アップ/ダウン
古きよき味わいを残す手巻き式クロノグラフの金字塔的作品であり、丁寧な手仕事で磨かれたパーツたちが重なりあうムーブメントの様子は、ルーペを使って観賞するだけの価値がある。時を刻む美術工芸品だ。
▶︎ Outsize Date
創業者のF.A.ランゲが師とともに製作した、ドレスデンのゼンパー・オーパー歌劇場の5分時計に着想を得た大型カレンダーで、10時位置ボタンで修正する。
▶︎ Movement
搭載するCal.L951.6は451個のパーツを使用し、パワーリザーブは60時間。レバーまでしっかり丁寧に面取り仕上げを施した。
▶︎ Power Reserve Indicator
6時位置にはパワーリザーブ表示が収まるが、表示針が上下に行ったり来たりするので、モデル名がアップ/ダウンとなっている。
ツァイトヴェルク
数字の書かれた巨大なディスクを使って時刻を切り替える“機械式デジタル”時計。最大で3枚のディスクを瞬間的に同時に回転させるトルクマネージメントの技術は、かなり高度である。
1815 アップ/ダウン
創業者の生まれ年を冠したコレクションで、インデックスはアラビア数字。スモールセコンドとパワーリザーブ表示をシンメトリーに配置して、シンプルながらも個性的な顔になっている。
問い合わせ
A. ランゲ&ゾーネ TEL:0120-23-1845