なぜ、人は高級腕時計を必要とするのか? ライフスタイルが変化し、新しい働き方やモノとの付き合い方が出てきている今こそ、改めて「自分にとっての腕時計を身につける喜びや幸せ」について考えてみるいい機会なのではないだろうか。今回は、グラスヒュッテ・オリジナルの「SeaQ クロノグラフ」を紹介する。
歴史ごと味わうダイバーズウォッチ
規模こそ小さいものの、品質ではスイス時計のライバルと目されるドイツの時計たち。しかしその歴史は艱難辛苦(かんなんしんく)の連続だった。ザクセン王国の宮廷時計職人たちが、ドレスデン近郊のグラスヒュッテに時計工房を開いたのが1845年のこと。時計の規格を統一し、街の中にパーツ工房をつくることで高品質の時計を製作していたが、第二次世界大戦後は東独政府の管理下で地域のブランドが集約され、国営の時計会社として活動することになった。
1990年の東西ドイツ再統一後、グラスヒュッテにあった時計ブランドが次々と再興するなか、国営時計会社を引き継いだのがグラスヒュッテ・オリジナルだ。同社は冷戦下も継続して時計製造を行っていたため、’60〜’70年代のリソースが豊富に残っており、そのためクラシカルなデザインが得意。
「SeaQ クロノグラフ」は、’69年に製作されたダイバーズウォッチを現代的にアレンジしたもの。オリジナルは旧共産圏向けに製作され、その絶妙な武骨さは逆に新鮮味がある。
ダイバーズクロノグラフは、人気が高いジャンルである。だからこそ、ちょっとクセがあるほうが面白いのだ。
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グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座 TEL:03-6254-7266