連載「意欲的新作ウォッチ」の第149回は、チューダーの「ブラックベイ 54」を取り上げる。
腕元がスマートにまとまる37mm径のダイバーズウォッチが好発進!
今ではヴィンテージとしても親しまれるチューダーが手がけた往年のダイバーズウォッチ。先ごろ、「ウォッチズ & ワンダーズ ジュネーブ 2023」で発表された「ブラックベイ 54」は、ヴィンテージマニアを唸らせるデザインと最新のテクノロジーがバランスよく調和した話題作として注目されている。
結論から述べると、「ブラックベイ 54」の最大の特徴は、1954年に発表されたチューダー初のダイバーズウォッチ「オイスター プリンス サブマリーナー」のRef.7922から受け継がれた37mm径のケースサイズにある。このサイズ設定は現代のダイバーズウォッチと比較しても非常に小ぶりな部類に入る。
Ref.7922が備えていた美しいプロポーションに近づけるための工夫として挙がるのが、ヴィンテージマニアの間で「スモールクラウン」と呼ばれるリュウズにある。数字以外の目盛りが刻まれていない逆回転防止ベゼル、ロリポップ(棒付きキャンディ)に例えられる秒針のディテールもレトロな雰囲気を後押しする。
言うまでもなく「ブラックベイ 54」の魅力は、Ref.7922の魅力を取り入れつつも復刻モデルの方向に走らず、現代的なウォッチメイキングを貫いた点にある。
自動巻きムーブメントCal.MT5400は、ウィークエンドプルーフ(週末耐性)を満たす約70時間のパワーリザーブと、スイス公認クロノメーター認定を上回る日差6秒以内(-2、+4秒)という抜群の精度を誇り、現代のライフスタイルにフィットする。ブレスレットとラバーストラップの用意があり、それぞれチューダーが独自に開発した「“T-fit” クイックアジャストクラスプ」によって、工具を一切使わずに8mmのサイズ調整が行える。
いざ探すとなかなか見つからない小ぶりのダイバーズウォッチ。あらゆる面で期待を裏切らない実力を見せるチューダーの新鋭をこの機会にチェックしてみてはいかが。
問い合わせ
日本ロレックス / チューダー TEL:0120-929-570
■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。