西野さんのビジネス書最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』が発売早々、Amazonだけでなく、オリコンのBOOKランキングでも書籍総合で第1位になるなど評判を得ている。早くも12万部突破の本書から、チームが崩壊するときの「あるある」について、解説。よくやりがちな「不満」のヒアリングが、自らの足元を揺るがすことになることについて、有無を言わさぬ説得力。「万が一」に備えすぎる組織の末路とは――。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今回は【難しい事件は悪い法律を作る】というテーマでお話ししたいと思います。
第240回
不満を募集すると、組織は「不満を生産する装置」へと変わる。“ありもしなかった不満”が爆発し、満足度が下がる――。経営において、容易く不満を募集するな!そして、すべての声を同じ重さで扱うな!
不満を募集すると、組織は「不満を生産する装置」へと変わる。“ありもしなかった不満”が爆発し、満足度が下がる――。経営において、容易く不満を募集するな!そして、すべての声を同じ重さで扱うな!

善意から作られた仕組みが、どのようにして思わぬ副作用を生むのか
最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』の中から1節を取り上げ、その内容について少し解説してみたいと思います。
テーマは、第1章に登場する「難しい事件は悪い法律を作る」という話です。
この章では、僕たちが善意から作り上げた制度が、やがて僕たち自身を縛り、場合によっては自分たちを傷つけることすらある構造について、1つの具体例を挙げながら説明しています。
キッカケは、僕が運営しているオンラインサロンを、より安心して参加できる場所にしたいと考えた時の出来事でした。
その時、僕はサロン内で「何か不安や気になることがあれば、遠慮なく声を上げてください」と投稿したのですが、その呼びかけをきっかけに、とても示唆に富んだ出来事が起こりました。
結果として、それは「善意から作られた仕組みが、どのようにして思わぬ副作用を生むのか」を考えるうえで、非常に学びの多い出来事になりました。
チームが崩壊する時の「あるある」
ここから、その部分を少し読み上げてみたいと思います。
………
当時の僕は、「できるだけ多くの人にとって、優しい場を作りたい」と考えていた。その思いから、メンバーにこう呼びかけた。
「何か不安があれば、遠慮なく言ってきてください」
最初に返ってきた反応は、極めて健全なものだった。
操作の分かりづらさや、情報導線の不備。
いずれも改善すれば、サービスの価値が確実に高まる指摘ばかりだった。
ところが、時間が経つにつれて、状況は少しずつ変わり始めた。
「もし、○○が起きたらどうするんですか?」
「さらに△△になって、最悪××になった場合はどうするんですか!」
まだ起きていないこと。
それどころか、発生確率が極めて低い未来の事故について、怒りを帯びた問いが次第に増えていった。
不満を募集すると、人はやがて不満を『発見』するのではなく、『創造』するようになる。
人という生き物が、「問題を見つける役割」を与えられると、その役割を全力で果たそうとするからだ。
たとえば、こんな問いが投げかけられる。
「もし巨大地震が起き、想定を超える津波が襲ってきたら、この事業は持ちこたえられないのではないか。その点は考えているのか?」
理屈としては否定できない。
しかし、そのような例外事象を経営判断の中心に据えた瞬間、事業は一歩も前に進めなくなる。
不満を募集すると、組織は「不満を生産する装置」へと変わる。
結果として、“ありもしなかった不満”が爆発し、満足度が下がる。
経営あるいはコミュニティー運営においては、容易く不満を募集してはいけない。
そして、すべての声を同じ重さで扱ってはいけない。
制度や仕組みを設計する時に、まずやるべきことは一つ。
それは、8〜9割の人を前に進める「外形」を作ること。
どんな事業にも、人・時間・資金の制約がある。
すべての例外を前提に設計すれば、意思決定のスピードは落ち、責任の所在は曖昧になる。
極端な例外を基準に作られた制度は、結果として全員を不幸にする。
これは「例外を切り捨てろ」という話じゃない。
事故、病気、家庭の事情。
経営の現場には、マニュアルでは扱えない事態が必ず起きる。
だが、それらは制度で処理すべき問題ではなく、起きてから、人が判断すべき領域だ。
外形は、仕組みで作る。
例外は、人が拾う。
不満や例外の『創造』は「善意」から始まる。
だからこそ、「外形」と「例外」の扱いをあらかじめ整理しておかないと、制度は肥大化し、現場は崩壊する。
………
とまぁ、こんな感じです。詳しくは『北極星』を読んでください。
これはチームが崩壊する時の「あるある」なのですが、要約すると以下の2つです。
・不満を募集すると、人は「不満」を捏造し始め、不満が爆発する。
・例外を「制度」で処理しようとするな
大切なのは、外形は仕組みで作って、例外は都度都度、人が拾うこと
たとえば、ミュージカルの本番中に客席でタバコを吸うヤバイお客さんが出たとする。
あるいは、「ミュージカルの本番中に客席でタバコを吸うヤバイお客さんが出たら、どうするんですか?」という意見が出たとする。
それに対して、公演の開演前アナウンスに「本番中の喫煙はお控えください」という注意事項を入れてしまうと…「念の為、あの注意もしておこう。この注意もしておこう」をしてしまうと、もう注意事項を読み上げるだけで2〜3時間かかってしまう。
極端な話をすると、そういうことです。
大切なのは、外形(多くのケースをカバーできる状態)は仕組みで作って、例外は都度都度、人が拾うこと。
厄介なのは、前任者が「例外までを踏まえた制度」を作っていた場合、「この仕組み、変えましょうよ」と声を上げるコストが高すぎるから、そのままやってしまうケース。
「万が一に備えて」というのは、すごく聞こえは良いし、正義であることは間違いないのですが、「万が一に備えすぎて潰れてしまう」という現実があることも僕らは分かっておいた方がいい。
特に、「万が一」に備えすぎて、中小企業から「スピード」を奪ってしまうと、もう中小企業に勝ち目はありません。
このあたりのことを『北極星』では、もう少し詳しく書いているので、是非、手にとってみてください。
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