かたや、売れっ子放送作家として活動する傍ら、NSC(吉本総合芸能学院)の講師として10年連続で人気No.1になった桝本壮志。こなた、彗星のように現れたZ世代の新たな論客、岸谷蘭丸。ビジネスパーソンがモヤモヤを抱きがちな言葉を取り上げ、異能のふたりが舌鋒鋭くぶった斬る。4回目

【お悩みキーワード④ 苦手な人】
──今回のキーワードは、「苦手な人」です。職場や取引先に、どうしても苦手な人がいるというときには、どうしたらいいでしょう?
小競り合いのススメ
桝本 前回、「逃げる」という話題が出ましたけれど、逃げるって物理的な距離だけじゃなくて、心の距離感を置くことでもあるんですね。だから僕も、この仕事相手は面倒臭いなと思ったら、心のなかにアクリル板を立てます。その人の前ではまだコロナ禍、みたいな。あとはその人の存在を大ごとにしないというか、自分のなかで苦手な人の存在を矮小化すると、だいぶ楽になりますね。荷物をまとめて逃げるのは難しいし、ご飯も食べていかなきゃいけないので、心のなかで距離を置く。
岸谷 う〜ん、苦手な人とどうやって接しているかな……。思い出してみますね、うん。嫌いなやつだらけだから、いま、具体的に顔を思い浮かべているんですけど(笑)。そうですね、僕は普通に揉めていますね。

2001年東京都生まれ。中学校進学時に見事に第一志望の早稲田実業学校中等部に合格するも、環境に馴染めず悶々とした日々を送る。高校進学時に一念発起、ニューヨークへ留学し、優秀な学業成績を修める。欧米の大学に複数合格、2022年にイタリアのボッコーニ大学へ入学した。大学に籍を置きながら海外進学や英語資格試験をサポートするMMBH株式会社を設立、将来的には都知事を目指すことを公言している。
桝本 あっ、いいな、それ。
岸谷 普通に揉めて、普通に関係が悪くなって、でもごめんねって仲直りしています。めちゃくちゃ長文のエッセイみたいなメールで言い合いをすることもあるけれど、でも揉めてみたほうがいいんじゃないかな。
桝本 本当はね、揉めてみたほうがいいですよね。非戦を掲げている人が多すぎるかなぁ。心のバッファゾーンというか、国境ではなくて緩衝地帯を作るとうまくいくと思うんだけど、緩衝地帯を作るためにはちょっと揉めることが必要。あ、こいつはこんな感じで来るんだってことが、わかったほうがいい。自分のなかでも、ここまでだったらギリ許せるけれど、ここまで入られたら許せないっていうのがわかるじゃないですか。
岸谷 僕には共同経営者がいて、古くからの友人なんですけれど、お互いに、「まぁまぁ」となだめあったりしています。だいたい僕がなだめられているんですけれど、珍しく彼が怒っているときには、彼が書いた長文メールを僕がギリ失礼がないくらいに添削したりして、だから彼の存在に助けられていますね。揉めごとがあっても飲み会のネタになって友だちとかが笑ってくれれば救われるし、最悪、スーツを着て謝りに行けばいい。
桝本 おっしゃるとおりで、物書きとか喋り手って、どっかでトラブルをもらいに行かないと飯のタネが生まれてこないですから。職場の人間関係に関しても、小競り合いをするのが大切だと思いますよ。
岸谷 小競りましょう!
桝本 勇気を持って小競りましょう!!

1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)および、よしもとクリエイティブアカデミー(YCA)の講師。2連覇した令和ロマンをはじめ、多くの教え子をM-1決勝に輩出している。新著『時間と自信を奪う人とは距離を置く』が絶賛発売中! 桝本壮志へのお悩み相談はコチラまで。
小競り合いによって仕事にエンタメ性が生まれる
──蘭丸さんの場合は、小競り合いから生じるフリクションがエネルギーになったりもしますか?
岸谷 めちゃくちゃなります。小競り合いで消費するエネルギーが無駄だと思った瞬間に効率的に仕事をするようになったりもするし、この野郎! っていう気持ちからアイデアが生まれることもあります。それに、小競り合いによって仕事にエンタメ性が生まれますよね、飲み会で友だちを笑わすネタができるわけで。
まぁ自分でも、実家が都内にあって本当に困ったら親も近くにいるという環境から、無責任に揉めたほうがいい、小競り合い上等みたいなことを言ってるんだなという自覚はあります。地方からひとりで出てきて頼れる人もいないから、揉めたりできないよという意見もわかるんですが、とにかく失敗や揉めごとを笑ってくれる友だちを作るところから始めてほしいなと思います。
※5回目に続く

