U-ZERO 代表取締役 CEO兼CPOの三村真宗氏と、富士通 執行役員専務 エンタープライズ事業 CEOの福田譲氏。かつての先輩・後輩という関係のふたりを紹介する。

富士通 執行役員専務 エンタープライズ事業 CEO。1975年愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、1997年にSAP ジャパン入社。2006年、INSEAD修了。2014年より社長。2020年、富士通入社。執行役員常務などを経て、2025年より現職。
三村真宗(右)
U-ZERO 代表取締役 CEO兼CPO。1969年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、1993年にSAPジャパン入社。マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て、2011年よりコンカー社長。2025年に起業し、現職。
朝5時に電話が
三村 SAPジャパンでは4つ下でしたね。営業に配属されて。
福田 新卒1期生の三村さんは、導入コンサルタント。憧れの先輩でした。
三村 新人時代、一緒にお客さまを訪問する機会があって、この若者はちょっと違うと思ったんです。そうしたらベテランひしめくなか、入社2年目でトップセールスになった。
福田 外資の水が合っていたんだと思います。すごくいい製品を扱えていましたし。新規事業担当だった三村さんは、当時からチームビルディングがものすごくお上手でした。社内では、チーム三村と呼ばれていて。
三村 月に1度、飲み会をやっていて、来てもらったことがありましたね。ちょっとノリよく騒いで(笑)。
福田 ミッション、ビジョン、バリューをチームで掲げて、戦略をしっかり考えて浸透させていて。こんなリーダーシップスタイルがあるんだと思いました。知的体育会系みたいでした。
三村 社長室長として会社の改革をしていた時にも、いろいろ意見をもらったりしました。よく覚えているのは、退職する時、食事に誘ってもらったことです。ふたりで飲んだのは、この日が初めてでしたね。
福田 銀座のビルの地下にあるステーキハウスですね。
三村 ものすごく嬉しかった。この時、福田さんのキャリアビジョンを聞いたのを覚えています。いつかは日本の大きな会社でやってみたい、と。これもまたすごいな、と思って。
福田 大企業を変革しようという、カッコいい人たちがたくさんいるのを知っていましたから。
三村 それから福田さんはSAPジャパンの社長になって、私が社長を務めていたコンカーがSAPに買収されることになって。情報解禁の日、朝5時に電話が鳴ったのを覚えています。あれはびっくりしたなぁ(笑)。
福田 一緒にやっていきましょう、と一刻も早く伝えたくて。
三村 オフィスにも来てくださって、社員にも会ってもらえて。いい関係を築くことができました。コンカーが働きがいのある企業ランキングで1位になったのは、その2年後ですから。
福田 SAPジャパンにもいい影響をもらえたと思います。
三村 そして有言実行で日本の大企業に転身されました。
福田 三村さんも引退をすぐに撤回され、組織エンゲージメント改革を行う会社を起業されて。予想より早かったです(笑)。引退宣言されましたけど、間違いなく撤回されると思っていましたので。

三村 ぶらぶらしていたんですが、日本のいくつかの業界のトップ企業から、従業員エンゲージメントに関する悩みを相談されたんです。コンカーでは、いろいろ仕組み化していましたから、近年のAIとくっつけたら、研修以上の価値を世の中に作れるのでは、と思ったんです。
福田 働きがいがなかなか上がらないのが、日本企業ですから。
三村 福田さんはSAPジャパン社長から富士通へ。いやもうこれは外資の出身者にすれば、飛行機から飛び降りるくらいの選択だと思いました。でも、見事に着地されて。胆力がすごいなぁ、と改めて思います。
福田 自分たちの親世代が、戦後の日本を世界有数に豊かにしたんですよね。これからの子どもたちのためにも、日本の大企業が変化を推進していかなければ、と改めて思っています。
三村 そしてゴルフも楽しんでいきましょう。
福田 私はようやくこの3年ほどで、本格的にできるようになりました。三村さんはバリバリで、それじゃあ行こうと誘っていただいて。
三村 再来月、半年ぶりにご一緒できますね。差し当たってはゴルフだと思いますが、末長く交流させてもらえたら、と思っています。年下ですけど、とにかく尊敬していますので。
福田 いえいえ、恐縮です。三村さんが目指すものと、私の目指すものは一致しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
三村 こちらこそです。