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2025.03.28

ABEMA『山本裕典、ホストになる。』で話題! 伝説のホスト、“軍神”こと心湊一希の壮絶すぎる子供時代とは

ABEMAの番組『愛のハイエナ』の超人気企画「山本裕典、ホストになる。」。そのなかで俳優・山本裕典にホストとしての心意気とテクニックを熱血指導するのがホストクラブブランド、エルコレのプロデューサー“軍神”こと心湊一希だ。強い組織をつくる指導力と相手の心を摑むコミュニケーション術、そしてホストへの転身後に圧倒的な成功を収めた激動の半生を探る。インタビュー第1回は、虐待といじめを生き抜いた子供時代について。【他の記事はこちら】

ホストの心湊一希さん。

「理想の上司」としてSNSで大きな話題に

新宿・歌舞伎町。「夜の世界」の代名詞ともいえるこの街のネオンが輝くなか、ひとりの男が建物の中へ入っていく。

お酒が飲めないにも関わらず、ホストになった1年目から年間売り上げ1億円を達成し、3年連続で1億円超え。月間最高売り上げは5500万円を記録。伝説のホストとして「軍神」という異名で呼ばれる男、心湊一希(みなといつき)。

お笑い芸人のニューヨークとさらば青春の光がMCを務める、ABEMAの番組『愛のハイエナ』内の人気企画『山本裕典、ホストになる。』。

俳優・山本裕典がホストに挑戦するこの企画で、彼を導く指導役が心湊だ。その論理的かつ的確なアドバイス、部下のモチベーションを高める言葉の使い方、国語ドリルを用いた読解力向上のユニークな指導法が注目され、「理想の上司」としてSNSでも大きな話題となっている。

実は心湊は、元々有能な営業マンとしての実績を持ち、起業も経験。34歳という年齢でホストに転身し、圧倒的な実績を上げて業界を席巻した異色の経歴を持つ。

ホストの心湊一希さんの横顔。
心湊一希/Itsuki Minato
1982年千葉県生まれ。デイトレーダー、営業マンを経て起業を経験した後、34歳でホストに転身。1年目から年間売り上げ1億円を達成し、その後も3年連続で1億円を超える成績を残す。月間最高売り上げは5500万円に達し、圧倒的な成績を収めた後にプレイヤーを引退。現在はホストクラブのブランド、エルコレのプロデューサーとして、新宿・歌舞伎町で「Lillion」「LiTA」「MIST」、大阪・ミナミで「GO」を手がけている。ABEMA『愛のハイエナ』の人気企画『山本裕典、ホストになる。』にて、山本裕典を指導する様子が大きな話題に。また、リアルホストドキュメンタリー『エルコレ〜歌舞伎超TV〜』では演者として出演している。

虐待にいじめ。生きるのに必死だった少年時代

「明るいでしょう? 僕、暗いホストクラブって嫌いなんですよ。ホストクラブを誰でも楽しんでもらえる、エンターテインメントの場にしたくて」

薄暗いイメージのあるホストクラブとは異なり、心湊がプロデュースする「Lillion(リリオン)」は明るくて煌びやかな内装で、まるでテーマパークのセットのような空間が広がる。

「Lillion」は2022年のオープン時、初月売り上げ7400万円を記録し、歌舞伎町でもトップクラスのホストクラブに成長。2024年9月には新店舗「LiTA(リタ)」をオープンし、初月売り上げで1億1000万円を突破するなど、驚異的な成果を上げている。

プレイヤーとしてもプロデューサーとしても、圧倒的な結果を出し続ける心湊。しかし、その生い立ちは決して平坦なものではなかった。

「母曰く、僕は生まれてすぐに父に棄てられた。『まだ子供は欲しくなかった』と言って、母と僕を残して出て行ったそうで、父の顔は知りません。幼い頃はしばらく祖父母のもとで穏やかに暮らし、祖父母が亡くなったことで生活が一変したといいます。母の再婚相手は家庭内での暴力が絶えず、小学1年生の頃には、フィリピンのとある地域に連れて行かれたそうです。そこでは過酷な環境での暮らしを余儀なくされ、ただ耐えるしかありませんでした」

その後、小学校2年生の時に帰国し学校に通うようになるも、貧しい生活のなかで厳しい現実に直面する。家には風呂がなく、週に2、3回だけ近所の銭湯に行くのが精一杯だった。

「臭い」「汚い」。

同級生から心ない言葉を浴びせられ、時には「シャンプーしてあげよう」と給食の牛乳を頭からかけられることもあった。しかし、それでも心湊は決して学校を休むことはなかった。

「もちろん辛かったです。でも、僕は頭の中につくり上げたファンタジーの世界に逃げこむことで、何とか日々を乗り越えていました。もし自分が勇者だったらどう戦うか、自分が魔王だったらどんな服を着るか。そんな想像をしながら生き抜いていました」

家に唯一あったディズニーアニメ『チップ&デール』のビデオテープは、擦り切れるまで何度も見た。

「ファンタジーな作品に浸ることで、現実を忘れられました。エンターテインメントは人を救うんだなと、この時身に沁みて感じました」

身振り手振りを交えてインタビューを受けるホストの心湊一希さん。

与えられたいなら、まずは与えなければいけない

そんな辛い日々を送るなかで、心湊はある決断をする。

「いじめられ続けていたけれど、僕は何も提供していないんじゃないかと考えたんです。そこから、とにかく同級生を笑わせようとしました。バカキャラになって笑いを提供するように振る舞ったんです。すると、いじめがなくなりました」

与えられたいなら、まずは与えなければいけない。

その考えは今も変わらない。ホストとしても、プロデューサーとしても、心湊は常に「相手に価値を提供すること」を第一に考えている。

第2回に続く。

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=鈴木大喜

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