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2024.05.13

「2秒ルール」「締めは算数」人気芸人の話術に学ぶ、雑じゃない雑談テク。これ、ビジネスでもかなり使えます!

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出した・桝本壮志のコラム。

「職場や会議など、ビジネスシーンでの雑談が苦手です。うまくやるコツがあれば教えてください」という相談をいただきました。

なるほど。エレベーターでの鉢合わせ、会議で苦手な上司が隣に座ってくるなど、望んでいなくても「雑談イベント」はしょっちゅう発生しますもんね。

ということで今週は、「ビジネス雑談のコツ」を、僕が接してきたコミュニケーションお化けたち。そう、人気芸人のスキルを参考にしつつシェアしたいと思います。

人気芸人の雑談は「2秒ルール」「耳も鍛えている」

エンタメ業界に入って30年。これまで多くの芸人さんと雑談をして、たくさんの共通点に気づきました。

まず彼らには、相手の話が終わったら“約2秒あけて自分のトピックを喋りはじめる法則”があります。

それは、ちゃんと“リアクションをとるから”です。

自分の話が終わってすぐに他者が話をはじめると、「この人、聞いてないな」「つまらなかったかな?」など、相手は不快に思うもの。

芸人さんは相手の話をうけ、「それ、まるで○○やん!」などと、トピックのおもしろさを増幅させてから、自分のターンに入る“話をしっかり聞く耳”も大切にしているのです。

ちなみに、EXITの兼近くんが芸人養成所に入ってきたとき、直接会話をする前から「この子はトークが上手いだろうな」と予想ができました。

なぜなら、彼は「相づち」が抜群に上手かったからです。

僕は100人超の生徒の前で講義をしていますが、彼は、話し手の行間やブレスのタイミングを読みながら、小気味よくうなずき、こちらが伝えたい重要なポイントでは、やや強くうなずくといった“耳の良さ”が、若いうちから備わっていたんです。

雑談で「雑」になってはいけない2つのこと

芸人さんとの雑談では、「雑になってはいけない2つのこと」にも気づくことができました。

1つ目の雑は、「ワンパターンなイントロ」。

例えば、「暑いですねぇ」「週末は雨ですかねぇ」など、いつも天気の話題ばかりしてくる人がたくさんいるように、私たちの雑談の入口はワンパターンになりがちです。

いつも一緒かも……。と感じる方は、「近くにオープンしたお店」「相手が手にしている小物(傘やスマホケース)のセレクトの良さ」など、イントロダクションのレパートリーを増やすことをオススメします。

2つ目は、「司会者型の雑談」。

顔を合わせると「最近どう?」「仕事は上々?」など、「まあまあです」としか返答できない質問ばかりしてくる“司会者型”の上司がいませんか?

もちろん、雑談は「あいさつ代わり」でもあるので、1つや2つの質問はいいのですが、一方的で雑な質問攻めは気分がいいものではありません。

芸人さんの雑談の上手さは、質問と自発のバランスの心地よさ。質問をする司会者にもなるし、最近あったエピソードや仕事の成果を積極的に語る“パネリスト”にもなる。

そう、相手にばかり答えさせることを避けるホスピタリティがあるんですね。

人気芸人の雑談はカンタンな「算数」 

彼らの雑談には「終りかた」にも共通点があります。

それは“雑談の最後は、必ず+(プラス)の言葉を×(かける)”という法則です。

トークは、お互いが言葉を×(かけ)算していく共同作業ですが、最後にネガや否定、相手をイヤな気持ちにする-(マイナス)な言葉を×(かける)と、人間関係もマイナスになります。

逆に、どんなにマズい会話でも、最後にポジや肯定、和やかな気持ちにする+(プラス)の言葉を×(かける)と、関係もプラスに働く。人気芸人は自然にこの算数をしているんです。

分かりやすい例だと、ブレイク中の女性芸人・やす子さんのトークの法則。

最近の彼女は共演者をイジるコメントもするのですが、必ず最後は「はい~!」でシメて、相手も周りも和ませる。アレも立派なスキルなんです。 

「オチがあるか」や「スマートかどうか」は考える必要ありません。「あ~楽しかった」や「今度、ぜひ続きを聞かせてください」など、最後に相手の気分をちょっと上げるプラスの言葉を×(かける)。これを心にピン留めしておけばいいんです。

ぜひ試せるものがあれば実践してみてください。では、また来週お逢いしましょう。

桝本
桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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