2023年9月22日、山形県山形市のやまぎん県民ホールで「木梨憲武交響楽団 in 山形 THE CURTAIN CALL SHOW」が開催される。フルオーケストラをバックに木梨憲武が歌うエンタテインメント。指揮は三ツ橋敬子。音楽監督は直江香世子。演奏は山形交響楽団。公演はいよいよ間近に迫ってきた。いったいどんなショーになるのか――都内のスタジオでリハーサル中の木梨に内容や意気込みを聞いた。
前代未聞の客席参加型エンタテインメント!?
木梨憲武交響楽団の公演は、実は2022年にすでに一度行われている。会場は、東京文化会館。“芸術の杜”上野の歴史あるホールは拍手と笑いに包まれた。
「1回目は東京フィルハーモニーの方々、指揮者の三ツ橋さん、音楽監督の直江さんたちからお声がけいただいて、ほんとうに光栄で、二つ返事でOKして歌いました。もう夢のような時間でした」
クラシックあり、とんねるずの曲あり、アニメの主題歌あり……。木梨は歌いまくった。
「僕がずっとやってきたバンド編成のライヴと違って、オーケストラではドラマーのカウントがないでしょ。すると、どこから歌い出せばいいのかわからなくて、慣れるまで大変でした。
それでBメロになかなか入れなくて、すみません! ちょっとストップしてください! って、演奏を止めちゃったりして。トラブルもエンタテインメントにして楽しんじゃえばいいやって、みんなに助けてもらいながらやり遂げました」
前回は、スペシャルゲストで加藤茶も登場。木梨と2人で食事をした際にコンサートの話になったのがきっかけだった。
「ノリタケ、最近、お前、なにやってるの?」
加藤に聞かれた。
「今度、フルオーケストラで歌うんですよ」
木梨が答えると、加藤が食いついてきた。
「なんだよ、それ! 音楽のなかでコメディをやるって一番贅沢なんだぜ。しかもフルオーケストラで」
「だったら加藤さん、出演してよ」
「いいよ。いつ?」
直前の食事の場で急遽出演が決まった。
「僕のライヴなのに、本番では、加藤さんが一番いいとこ持ってっちゃって(笑)。フルオーケストラで、『ちょっとだけよ〜』とかやってね。照明はピンクにして〜、とか指示してさあ。最後は『ババンバ・バン・バン・バン、クラシック聞けよ』って。僕はいかりや長介さん役で、『やめろ、加藤!』って缶ブタで頭叩いた。子どものころにテレビで見ていた『8時だョ! 全員集合』のまんまでした」
客席はみんな腹を抱えて笑いまくった。
「その会場に山形の主催者の方々がいらして、2回目はぜひ山形で、と誘ってくださったんですよ。それで『木梨憲武 交響楽団 in 山形 THE CURTAIN CALL SHOW』が開催されることになりました」
木梨憲武交響楽団、今回のスペシャルゲストは!?
では、第2回の山形公演はどんな内容になるのか――。
「前回リサーチしたら、会場の7割くらいのお客さんがオーケストラ初体験だったらしいんですよ。だから、クラシック音楽の魅力を誰もが味わえる内容にしたいといろいろ考えています。
そこに、僕がやるからこそのコメディの要素も加えて、楽しんでいただきたい。今回もスペシャルゲストがスタンバイしています。誰だと思いますか? 言っちゃっていいのかな? あ、まだシークレットです。でも、楽しみにしていてください。山形だからこそのスペシャルな人です」
セットリストも気になるが――。
「曲ですか? 教えちゃっていいのかな……。少しだけならいいかな……。クラシックは、三ツ橋さんや直江さんと打ち合わせをして『美しき青きドナウ』を考えています。どうですか? 誰でも聴いたことがある曲でしょ? とんねるずの曲は『ガラガラヘビがやってくる』。僕の曲は『I LOVE YOUだもんで。』をやりたい」
コロナ禍がほぼ明けたタイミングの今回の公演は、3年ぶりに人数制限なし、マスク着用自由の環境で行われる。
「だから、お客さん参加型のコーナーも予定しています。みんなで踊ったり、ステージに上がってきちゃってもいいんじゃないかな(笑)」
ステージ上だけではなく、会場全体がエンタテインメントに。もっといえば、家を出てから帰って就寝するまでその日1日がまるごとエンタテインメントになりそうだ。
「三ツ橋さんも、直江さんも、オーケストラの皆さんも、プロ。すごいんですよ。僕のあらゆる提案に即座に対応してくれます。かなりのことをやってくれます。新しいことを行うにはプロ中のプロと組んでやる。それを感じています」
「木梨憲武 交響楽団 in 山形 THE CURTAIN CALL SHOW」開催まではいよいよカウントダウン状態。この公演はライヴ配信も行われる予定だ。