PERSON

2023.08.29

【岸博幸】退院後、初告白! 約4週間で社会復帰した今の生活とは

多発性骨髄腫の治療のために入院していた岸博幸氏が、2023年8月18日に退院した。感染症予防のために無菌室フロアに入り、抗がん剤投与に次いで造血幹細胞移植を受けるなど、ハードな治療ではあったものの、その回復ぶりは主治医が目を見張るほどだったという。“最短の入院期間”で社会復帰を果たした岸氏に、現在の様子を語ってもらった。

退院後、初のインタビューに応じる岸博幸氏。

スキンヘッドになったおかげで人生ほぼ初の帽子を体験

8月25日、岸氏の姿は都内のスタジオにあった。退院からわずか1週間ながら、付き添いもなく、ひとりでやって来て、「どうも、ご無沙汰です」と、いつもと変わらぬ笑顔を見せてくれた。たったひとつ以前と異なっていたのは、ヘアスタイルだ。

「抗がん剤投与の直後はそうでもなかったんだけど、1週間くらいしたら髪の毛がガンガン抜け始めて。今はすっかりツルツルです(笑)。ショック? 全然! 見た目の変化は5分で慣れるものですよ」

そう笑いながら、初回のインタビューで公言していた通り、スキンヘッドを楽しむための小道具を見せてくれた。岸氏が大好きな格闘技団体、RIZINのキャップだ。

「ふだんは別のキャップを被っていて、これは仕事用です。学生時代を含め、これまでの人生で帽子を被ったことってほぼないから、我ながら新鮮ですね。帽子被ると僕ってこんな感じになるのかって。

別に被らなくてもいいんだけど、スキンヘッドだと、ものすごく汗をかくんですよね。髪の毛は頭を陽射しから守ってくれていたんだな、毛が生えることにはちゃんと意味があるんだなと、実感しました。でもまぁ、なければないで楽ですけどね。汗をかいてもタオルで拭けば済むし、体といっしょにボディソープで洗えますから(笑)。そうしたいろんな発見ができておもしろいですよ」

髪と同時に髭も抜け、髭剃りもほとんど不要になった。剃り跡がないせいか、いつにも増して肌につやがあり、清潔感すら漂っている。

「ありがとうございます。眉毛が抜けたら、フレームの太いメガネに変えてカバーしようと思っていたんだけど、眉とまつ毛はそこまで影響がなかったですね。抗がん剤投与からもう3週間くらい経つから、たぶんこのままいけるでしょう」

大好きな格闘技団体、RIZINのキャップをかぶる岸博幸氏。

退院当日から酒もたばこも再開

入院中の食事に辟易していると、何度となくこぼしていた岸氏。その“苦行”から解放された退院当日、真っ先に口にしたのは何かとたずねると、「家族で中華料理を食べに行きました」という答えが返ってきた。順調な回復ぶりで入院期間は最短で済んだとはいうものの、血液数値がすべて標準に戻ったというわけではない。主治医からは、外出時のマスクと手洗いの慣行など感染予防策をとるよう言われたというから、てっきり自宅で食事かと思いきや、外食をしたというのだ。

「病院の食事はとにかく味がないから、味つけの濃いものが食べたかったんですよ。主治医から特に禁止されなかったので、お酒も飲んでしますし、たばこも吸っています。さすがに本数は1日7〜8本に抑え、軽い銘柄のものにしていますけどね。ただ、胃袋が小さくなったのか、以前より食べられなくなったし、酒も弱くなりました。少し飲んだだけで、顔どころか頭まで真っ赤になる。妻に、からかわれています(笑)」

8月22日から24日までは、家族と共に軽井沢の別荘にも出かけた。それも、片道約2時間半、自身でクルマを運転して、だ。

「この夏一度も行っていなかったから、手入れもしなくちゃいけないと思って。そうしたら台風の影響なのか、庭の大きな白樺が倒れていたんですよ。太さが80センチはあったかな。それをチェーンソーで切って運んだんですけど、呼吸も苦しくなって、結構しんどかった。入院中もトレーニングはしていたけれど、体力は落ちているんでしょうね。

でも、息子が手伝ってくれたんですよ。前は、自分から手伝うなんて言わなかったのに、率先してやってくれたんです。言葉にはしないけど、僕が病気になったことで、彼もいろいろ考えたのかもしれません。やっぱり子供には手をかけず、放置した方がいいんですね」

仕事に復帰するのが楽しみでしかたがない

岸氏が精力的に動いているのはプライベートだけでない。退院3日目の21日には会議をこなすなど、仕事も恐るべき早さで再開している。翌週には『全力! 脱力タイムズ』(フジテレビ)の収録や、『ミヤネ屋』(読売テレビ)の出演も予定しているという。

「入院中、早く仕事をしたいとずっと思っていたから、すごく嬉しいし、楽しみですね。今も薬を服用中で、週1回は病院に検査にいかないといけないので、前みたいなハードなスケジュールはこなせませんが、できる限り仕事はしますよ」

そう言って、次回のインタビューのオファーを快諾してくれた岸氏。退院後の心境の変化や今後の仕事や家族についてなど、改めて語ってもらう。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=杉田裕一

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