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2023.01.27

【西野亮廣】追い込まれた時にやるのは「新規事業の立ち上げ」ではなく、「ランニングコストをトコトン見直す」

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話ししたことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は『売上に苦しむ会社や個人がやること』という話をしたいと思います。
すっごく大切な話です。

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

第78回 会社の悩みって、9割が「集客」「売上」に関することですが…

西野亮廣

新規事業での一発逆転、その前に「ちょっと待った」

今日は、地味で面白くなくて、だけど大切な話をさせていただきます。
「そんなことは言われなくても分かってるよ」というような内容です。

僕、『ニシノコンサル』と称して、会社のコンサルなんかをやらせていただいているんです。
「西野の分際で何を」という話なのですが、でもまぁ、需要があるので、毎月10社ぐらい、年間120社ぐらいのコンサルをヌケヌケとやらせていただいております。
会社の悩みって、9割が「集客」「売上」に関することなんですけども、年間120社も見ていたら、どこも、結構同じような躓き方をしていることが分かってくるんですね。

まず「あるある」でいうと、「デザインが糞ダサイ」というミス
デザインが糞ダサイというか、本人的には経費削減のつもりで、「社長自らホームページやパッケージのデザインをしてしまっている」というパターン。
あるいは、売れていない友達のデザイナーに頼んでしまっているパターン。

「社長が自分でデザインする」は勿論論外で、加えて、「売れていない友達のデザイナーに友達価格でお願いする」も論外で、これはやっぱり厳しいようですが、売れていないデザイナーには売れていない理由があるわけで、キチンと売れないものをデザインしてくるんですね。
そうして売れないパッケージを作っちゃうから、「販売コストがベラボーにかかっちゃって、首が回らなくなる」という地獄モードに突入しているパターンが少なくありません。

「ダサイはお金を溶かす」と覚えておいた方がいいと思います。
たぶん、こう聴いて、ギクッとしている経営者さんが結構いると思います。

しかし今日、皆さんにお話ししたい「地味で面白くなくて、だけど大切な話」は、これじゃなくて…もっとツマラナイ話なんですけども、コロナで経営が傾いた会社って少なくないんですね。
僕ら(CHIMNEY TOWN)も飄々とやっているようですが、それこそ新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』なんかは公演中止になりましたし、デカ箱でやるイベントに関しては、客席制限がかかっていましたし、『映画 えんとつ町のプペル』の公開の時なんかは「コロナが流行っているから、夜8時か9時以降の映画館の営業は中止」という謎規制がかかって(あれは一体、なんだったの?)、平日は壊滅的な状況だったわけで、コロナの打撃は勿論受けたんですね。
エンタメ業界も本当に大変だったんです。

旅行業も、ニュースでは「今、かなり回復してきている」と報じられていますし、実際、外国人観光客の方も本当に戻ってきて、場所によっては盛り上がっていますが、それって少人数の旅行がほとんどで、「団体客向けのサービス」を展開していた会社さんとかは、まだまだ苦労が続いていたりします。

メインの収益源が打撃を受けて、「どげんかせんといかん」ということで、新規事業助成金なんかを利用して、新規事業を立ち上げて「一発逆転」を狙う会社さんも少なくないのですが、その気持ちは死ぬほど分かりますが、その前に「ちょっと待った」なんです。

追い込まれた時は「ランニングコストをトコトン見直す」

僕は、これまで本当にいろんな事業を立ち上げてきましたし、サロンメンバーさんは更にご存知だと思いますが、今も尚、「次はコレにチャレンジしま〜す」みたいな感じでポコポコとスタートさせています。
というか、「そのスピードで新しい事業を立ち上げているから、オンラインサロンが続いている」というのもありますよね。

なので、自分にとっては「新規事業の立ち上げ」というのは、すごく身近なものなんですけども、新しいプロジェクトって、大体最初は上手くいかないんですよ(笑)。
今、軌道に乗っているプロジェクトって「ねばり勝ち」みたいなものがほとんどで、改善して改善して改善して、ようやく形になったものばかりです。

それには、当然、改善して改善して改善するだけの体力が必要なんですね。
具体的にいうと、モノになるまで持ち堪えるだけの会社の軍資金です。
なので、新規事業の立ち上げは「余裕がある時」にやっています。

逆に、追い込まれた時にやるのは「新規事業の立ち上げ」じゃなくて、「ランニングコストをトコトン見直す」という作業です。
個人の場合だと「生活コストの見直し」です。
めちゃくちゃ分かりやすいけど、「生活レベルを下げる」というのは、意外と皆できないんですね。「家賃の見直し」とか。
部屋の広さが本当にそれぐらい必要か? 
本当にそこに住まなきゃ、本当にそこに会社がなきゃダメ?
見栄やプライドが邪魔している場合があって、そこで毎月5万円削ることができれば、年間60万円の利益は出るわけじゃない?
600万円の借金があったとしても、たった「家」や「オフィス」を引っ越しするだけで、10年ローンで確実に返せるわけでしょ。
新規事業を立ち上げて、スマッシュヒットさせるよりも、遙かに確実です。

なんでこんなことを言っているかというと、年間120社を見させていただいている中で、追い込まれて新規事業を立ち上げている会社のほとんどが、ランニングコストの見直しが甘いんです。
「ココを削っても、あなたの会社のパフォーマンスは変わらないのに、なんでココを削らないの?」というのが多いんです。
新規事業の立ち上げを否定しているわけじゃなくて、「優先順位が違うぞ」という話をしています。

頭の悪い人って、借金を博打で返そうとするじゃないですか?
それに近いことを経営者がやっちゃってるパターンが少なくない。
なので、つまんない結論で申し訳ないですが、今、ちょっと厳しい環境にある方は、「借金は一気に返そうとしない」「見栄を捨てて、ランニングコストを見直す」ということを徹底されるといいと思います。

 

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お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
2023年1月28日(土)に静岡、
2月22日(水)に愛知、
2月23日(木)に沖縄、
2月25日(土)に愛知、
2月27日(月)に秋田、
3月11日(土)に新潟、
5月13日(土)に静岡で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。

●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら
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過去連載記事

TEXT=西野亮廣

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