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2022.05.29

ヨシダナギ「自分を大きく見せない。少数民族から学んで今がある」

幼少期からアフリカの人々の美しさに強烈に心惹かれ、23歳のとき単独で初めてエチオピアに渡った、ヨシダナギ。好きなものを追いかけ続けた結果、フォトグラファーとして活躍する彼女の生き方と作品は、若者を中心に指示され、写真展は1年で10万人を動員するなど、注目を集め続けている。

フォトグラファー ヨシダナギ

朽ちていくものへの希求は、老いを迎える自分への肯定

アフリカ好きが高じ、カメラを携えて現地を突撃。簡単にはアクセスできない少数民族を訪ねて撮影した写真が話題となり、フォトグラファーとして活動して6年半。世界各国の少数民族の次なるモチーフとして各国のドラァグクイーンを撮影し、新たな境地を開いて見せた。昨年末に上梓(じょうし)した最新エッセイ『贔屓贔屓(ヒーキビーキ)』には、「個性的」と形容されるヨシダナギの美観の一端が垣間見られる。

「錆や古材などの、経年変化の感じられるものは昔から惹かれていたんです。でも、もしかすると10代の私だったら美しく感じなかったかもしれません。最近思うのは、朽ちていくものへの希求は、だんだんと老いを迎える自分への肯定なんじゃないかって。特に日本では30代、いや20代後半あたりから“もう若くない”と女性を扱う人も少なくない。“人を年齢で見てんじゃねえ”っていう反骨精神かもしれません(笑)」

有体(ありてい)に言う視覚的な“美しさ”とは異なる目線を持ちながら、結果的に“美しく”あるヨシダ作品。その源泉にあるものは、なんだろう。

「これまでの撮影のなかで、私が選ぶ被写体は、見た目がキレイ・美しいという人より、自身にドラマ性のある人。彼らがなぜカッコいいのかと考えた時に、生き様や誇りがそのまま表れているんじゃないかなと思うんです」

「外国語が得意じゃない」という彼女は、アフリカでは、時に体当たりでコミュニケーションをとってきた。非言語のやりとりのなかから、ある種オーラのようなものをキャッチして一枚の写真に収めてきたのだ。

趣味として少数民族を撮影してきた彼女の名を広めたひとつにTV番組『クレイジージャーニー』がある。そこで便宜上与えられた肩書きがフォトグラファーだった。瓢箪から駒を地で行くエピソードだが、この職業に対する想いを聞いた。

「写真が好きというより、アフリカが好きでたまたまいただいたお仕事。いかに努力せずに今の肩書きでいられるか、密かに挑戦しています。一番嬉しいのは、褒められた時ですね(笑)。私は、決して技術のあるフォトグラファーではありませんから。勉強していないのにうまくなった、なんて言われると気分がいいじゃないですか」

自らを繕うことなく、ありのままをぶっちゃけてしまう自然な姿もまた、彼女の魅力。

「少数民族の人たちって、自分を大きく見せようとしないんです。それは見習っています。100の自分が150になんて絶対にならない。だから例えばイベントで、ヨシダって思いのほかつまらない、と思われたとしても、“期待してきたアンタが悪い!”って思うようにしています(笑)」

生きにくい時代も飄々と乗りこなしている。かつては、「君は時代が早かった」と言われたという。

「私は全然変わっていなくて、周りが変わっただけなんです。ようやく私を面白がってくれる時代が来たなと」

「ゲーテ」本誌の本編では触れることができなかった、ヨシダ節が満載のこぼれ話はこちらから。

 

ヨシダナギの話題の偏愛エッセイ『贔屓贔屓(ヒーキビーキ)』

「好き」という衝動は、自分を、世の中を動かす。少数民族からうぶ毛やつむじ、サヨリの尻尾まで。自分が偏愛する「ご贔屓たち」を、綴った偏愛エッセイ。「好き」や「美しい」くらい自由でいい。生きにくい時代に自分らしくあるためのヒントにも。何気ない日常が愛おしくなったり、新しいアイデアが湧いたり……頭の中が自由になる1冊。

ヨシダナギの偏愛エッセイ『贔屓贔屓』

¥1,540/幻冬舎。

 

Nagi Yoshida
1986年生まれ。独学で始めたカメラを片手に単身アフリカに渡り、少数民族を撮影。以降、世界各地の少数民族やドラァグクイーンの姿を写真に収める。2017年講談社出版文化賞写真賞を受賞。作品集に『SURI COLLECTION』『DRAG QUEEN』など。

「ゲーテ」本誌の本編では触れることができなかった、ヨシダ節が満載のこぼれ話はこちらから。

TEXT=髙村将司

PHOTOGRAPH=彦坂栄治

HAIR&MAKE-UP=YOUCA

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