師匠か、恩師か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ「相師相愛」ともいえるふたりの姿を紹介する連載「相師相愛」。その貴重な対談の数々をまとめて振り返る。※2018年12月号、2019年8月号掲載記事を再編。固有名詞や肩書き、年齢等のデータは掲載時のまま
「戦友、同志、盟友」浜田 宏×小林いずみ 対談
初めて会った時、同じ匂いがしたんですよ。修羅場をくぐった者同士がわかる獣の匂い(笑)。お互い外資系で同じような戦いをやってきたんだな、と。当時、彼女は大きなリストラを実行したばかりのメリルリンチ日本証券の社長でしたが、本当に大変な状況だったはず。でも本人はまったく動じてないし、ぶれない。肩に力も入ってないし、威張ったりもしない。お侍さんみたいでした。胆力すげぇ、なんてハンサムで格好いい人なんだ、と思ったんです。
聞けば20歳の時、ヨットで3ヵ月、南太平洋を航海したという。そこで死ぬのも怖くなくなった、と。実はそのヨットを僕は2012年に始めました。もともとダイビングが好きでよく海へ行っていましたが、潜るのがしんどくなってきて。ヨットと出合って、こんなに面白いものがあったのか、と知りました。潮、風、波など全部読みこんで進んでいく。とにかく頭を使う。
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「どん底を経験した経営者ふたり」田中修治×黒川将大 対談
典型的なO型で、好き嫌いが激しかった当時の僕に、「きっと合いますよ」と銀行の人に紹介されたのが、黒川さんでした。会ったら、なんたって細かくない(笑)。その後2年くらいして、OWNDAYSの買収話に出合い、ビジネスの案件として彼に提案しようとしたんです。
実は心のどこかに、自分でやる選択肢もあると思っていました。売り上げ20億円で借金14億円の会社。無茶だからこそ面白いんじゃないか、と。どこかで誰かに背中を押してもらいたいと思っていたのかもしれません。それを、黒川さんがしてくれたんです。
ただ、それからはお互い本当にひどかった。会えば資金繰りと金策の話ばかり。年末に生きているかどうか、電話で確認し合って(笑)。僕にすれば、苦しいのは僕だけじゃないんだ、と救われる存在でもあった。偶然の失敗はない。勝つこと以上に負けないことが大事。自分のダメさ加減を理解して行動する……。そういう大事な価値観が共有できる人です。
海外展開のきっかけは、黒川さんと一緒にシンガポールに行ったことでした。ここに店を持ちたい、と思ったんですね。大当たりするなんて思っていない。オープンの日、夕方から一緒にバンコクに遊びに行きました。ところが、初日から様子が違っていて。活況が続き、すぐに海外展開の拡大を決断しました。
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