ビジネスの最前線で闘うリーダーやスペシャルな人の傍らには、仕事に活力を与え、心身を癒やす、大切な愛用品の存在がある。それらは、単なる嗜好品にとどまらず、新たなアイデアの源となり、自らを次のステージへと引き上げてくれる、最強の相棒＝Buddyでもあるのだ。今回紹介するのは、リスト代表取締役兼CEO兼グループ代表北見尚之氏の相棒靴。特集【最強の相棒】
ジョンロブの定番、ダブルモンクストラップシューズ。「靴は月1回、クリーニングをお願いしています。靴もバッグも、きちんと手をかければ、一生使えますから。エルメスのバッグも、3年前の誕生日に熊谷さんから贈られたもの。これも、靴同様、私にとって大事な勝負アイテムのひとつです」
リスト北見尚之氏が誕生日に贈られたサプライズプレゼント
普段はカジュアルな装いが多いんですが、大事な商談や契約など、勝負どころだと思う時は、これを履きます」
不動産仲介・販売のグローバル企業として急成長しているリストグループの北見尚之代表が、そう言って紹介してくれたのが、イギリスの名門ブランド、ジョンロブのダブルモンクストラップシューズ。尊敬してやまない大先輩から、昨年の誕生日に贈られたものだという。
「誕生日を祝ってくださるというのでレストランに出かけたら、そこにジョンロブのスタッフがいたんですよ。その場で採寸してもらい、後日、足にぴったりのオーダーシューズが届きました。いつもそんな心遣いに感激しています」
靴の格に合わせ、この日のスーツはゼニアをセレクト。「会社を代表する者は身につけるモノにもこだわるべき。それも、熊谷さんから教わりました」
熊谷正寿氏の経営者としての姿勢が、挑戦を後押ししてくれる
敬愛するその人物とは、GMOインターネットグループを率いる熊谷正寿氏。知り合って十数年、人としての振る舞いから経営者としての姿勢まで、公私ともに大きな影響を受けてきた。なかでも現在の北見氏とリストの在り方に大きな影響を与えたのが、「先へ先へと成長し続ける」という言葉だ。
「不動産業に可能性を感じて起業しましたが、当初は地元神奈川県でトップになれれば十分だと考えていたんです。でも、熊谷さんから『そんな小さいことを言って、どうするんだ』とハッパをかけられました。経営者は、社員のため、お客様のため、社会のために、歩みを止めず、成長し続けなければならない……と。その前向きな姿勢と、それを実現する行動力、思考力に、大きな刺激を受けました。それからですね、1兆円企業を目指し、日本一、いや、世界を代表する企業を目指そうと決意したのは」
その言葉どおり、リストグループは、2010年、世界的な高級不動産仲介ブランド「サザビーズ インターナショナル リアルティ®」の日本国内での独占営業権を取得し、’13年にはハワイに拠点を設置。以来、フィリピンやシンガポール、タイといった東南アジアでも事業を展開するなど、世界進出を加速させた。国内でも、主に富裕層をメインにしたグローバルネットワークを活かし、急成長を遂げている。「1兆円企業になるのは、次世代、そのまた次の世代でもいい。僕の仕事は、その道筋をつけることだと思っています」
と同時に目指しているのが、「社会に必要とされる企業たること」。経営者が個の利益に走ってしまっては、組織は小さく、歪（いびつ）になり、発展は望めない。けれど、正しい方法で、社会に求められ、貢献できる企業を目指せば、組織は最大化し、利益は自ずとついてくる。それもまた、熊谷イズムから学んだこと。
「経営はマラソンに似ています。足を止めてしまうと、再び加速するのは難しい。だから、走り続けることが大切だと思います」
苦しい時に背中を押し、次の一歩を踏みだす手助けをしてくれる。この靴は、北見氏にとって、そんな存在なのだ。
リスト代表取締役兼CEO兼グループ代表
北見尚之
1965年神奈川県生まれ。大手不動産会社勤務などを経て、’91年、不動産会社の変革を目指して起業。創業30年で総合不動産会社へと成長させる。トライアスロン、サーフィン、ゴルフなど、スポーツにも本気で取り組む。
