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2022.02.25

【西野亮廣】日本人には耳が痛い!? 行く先々でマイノリティーだった華僑が“自分の身を守る為”にお金をどう使ったか?──連載「革命のファンファーレ2」Vol.31

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。(こちらは、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事を加筆修正したものです)
前回は『老後の為に生きる人の末路』というテーマで、「お金の使い方」についてお伝えしたのですが、今回は、その続き【実践編】についてです。
「もっと『繋がり』に意識を向けた方がいいっす!」という話です。

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第31回 『コミュニティー』を無視した成長を続けてきてしまった日本人の、不幸な未来!?

お金を「誰に」使うか?

『まん延防止等重点措置』が、3週間延長することになって、全国の飲食店さんが大変な思いをされています。(※2月24日現在)
観光業も、まだまだ苦労が続きます。
愚策もいいとこですが、岸田さんの支持率が鬼下がりしない限り(※最近ちょっと下がってるみたい)、なかなか終息しなさそうです。
「老いた国」の運命なのかもしれません。
#ちなみに投資家さん中心のアンケートだと岸田政権の支持率は3パーセントなんだってさ
#新資本主義

こんな話をすると、「飲食店は今、大変だよねぇ…」という結論になりがちですが(※自戒を込めて!)、僕らは「飲食店経営者さんも、自分のサービスのお客さん」ということを忘れてはいけません。
飲食店が潰れると、そっくりそのまま「私のサービスを買えるお客さん」が減るわけですから、まったくもって他人事じゃないんです。

しかし、どうでしょう?

僕らは、飲食店さんや、観光業の方が抱えている問題を、どこか他人事として捉えています。
「オンライン中心でサービスをやってて、助かったぁ」と思った人もいるでしょう。

どうして僕らは、「いずれは自分にも及ぶことになる他人の問題」に目を向けられずにいるのでしょうか?

その一つに「『コミュニティー』を無視した成長を続けてきた」があると思っています。

この話は過去にも(他の媒体でも)したことがありますが、フィリピンのトンド地区(スラム街)の子供達に、おやつ(ときどきお金)をプレゼントすると、彼らは迷わずそれを「シェア」するんですね。
このことについて、
「皆で助け合うファリピンの子供達=いい人」「自分が良ければ良い日本人=悪い人」
と整理してしまうのは、あまりにも乱暴だと思っていて、「どうして、『助け合おうとする人』と『自分だけ助かれば良いと考える人』に分かれたのか?」まで掘り下げて考えた方が良さそうです。

おそらく、その答えは「コミュニティーの有無」だと思います。
「コミュニティーが思考を形成している」という話です。

トンド地区の子達は皆、顔見知りで、「一つ屋根の下」のノリで生きています。
その世界では「情けは人の為ならず」や「因果応報」が本当に身近にあって(目の当たりにすることできて)…どころか、その気になれば「支払ったお金の行き先」まで確認できてしまいます。
もちろん、それによる弊害もあるのでしょうが、「あの人が倒れたら、自分を助けてくれる人がいなくなる」という意識(繋がり)は生まれます。

他方、僕らは長らく「個」で生きてきたので、「よそはよそ! ウチはウチ!」的なノリが根付いてしまっています。
YouTubeの動画にしても、ノウハウ記事にしても、アクセスが集まるのは「出し抜き系」で、そこで語られるのはいつも「自分がどう勝ち残るか?」で、「皆が生き残る為にはどうすればいいか?」は議論されません。

しかし、経済は数珠繋ぎで、あの人が倒れたら、自分にもダメージはあります。
今、僕は「皆が生き残る為にはどうすればいいか考えた方が良くないっすか?」的な方向に話を持っていっているのですが、これは何も『無償の愛』などではなく、「自分の身を考えるなら尚更」という話です。

『生き金』と『死に金』。キチンと区別して使えているか?

僕は「華僑(※中華街とか作っちゃう人達)のお金の使い方」が好きで、ついつい色々と調べちゃうのですが、行く先々でマイノリティーであった彼らは「自分の身を守る為のお金の使い方」について勉強していて、常に合理的な判断をしています。

何の為に富を分配するのか?
何の為に寄付をするのか?
誰にお金を使えば、その効果が最大化するのか?
どのタイミングでお金を使えば、その効果が最大化するのか?

それらをキチンと体系化している(子供にも教えている)のが華僑です。
華僑の生き方に関しては、様々な切り口で語られますが、彼らの考えの軸にあるのは、基本2つで、『コミュニティー』と『お金の使い方』です。
彼らは『生き金』と『死に金』をキチンと区別していて、「返ってくるところに使うお金=生き金」を積極的に使います。

長らく「個」で生きてきた(「コミュニティー」を無視して生きてきた)僕らは、「何が『生き金』で、何が『死に金』なのか?」を、あまり深く考えてきませんでした。
エグい話をすると、お目当ての「おむすび」が手に入ればゴールで、「誰からおむすびを買えば、自分の取り分が最大化するのか?」をあまり考えてこなかった。

ただ、このような「次に自分が槍玉にあげられるかもしれない」変化の時代(戦時中?)は、そこがとってもとっても大切です。
逆に言うと「飲食店が潰れても、俺には関係ないし」というスタンスをとれてしまっている状態が極めて危ない。
#あなたが槍玉にあげられた時に助けてくれる人がいない

口で言うだけだと説得力に欠けるので、僕は、サロンメンバーさんにお金を使っていこうと思います。
今日から三日間ほど、地方の宿に泊まるのですが、サロンメンバーさんが運営する宿を検索しました。
僕が泊まった(サロンメンバーさんの)宿は、後日、皆さんに共有させていただきます。
コミュニティーを意識し、助け合いながら、そして、ほどほどにおこぼれを貰いながら生きていこうと思います。
現場からは以上でーす。

お知らせ!「キンコン西野と学ぶ! 仮想通貨勉強会『DAOって何?』」オンライン参加者5000名突破

3月2日に開催する、オンライン勉強会「キンコン西野と学ぶ! 仮想通貨勉強会『DAOって何?』※儲け話はありません」の参加者が「3800名」を突破しました。
こちらは、キングコング西野とCHIMNEY TOWNスタッフが、今後『NFT』や『トークン』の実験をしていく上で仮想通貨(暗号資産)について勉強するZOOM会議でございます。
配信は、Facebookグループで生配信。
(※アーカイブは4月末まで残します)
ブロックチェーンに詳しいエンジニアが、技術に詳しくないスタッフにわかりやすく説明するビットコインやブロックチェーンの初心者に優しい勉強会です。
仕組みを学ぶための会議ですので、儲かるとかそういう話は一切ありません。
この配信では、ビットコインをはじめとして、
ブロックチェーンやNFTについて簡単にまとめたあと、
「DAO(自律分散型組織)」について勉強します。
プログラムは、
=====
・ビットコイン、ブロックチェーン、NFTについてまとめ
・DAOって何?
・DAOで何ができる?
=====
といった感じです。
仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンの未来について興味がある方は、「キンコン西野 DAO」で検索してみてください。チケットは800円です。
よろしくお願いします。
【3/2 19:30〜配信】キンコン西野と学ぶ!仮想通貨勉強会「DAOって何?」※儲け話はありません
こちらから!

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

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連載
『革命のファンファーレ』から『夢と金』

猛烈な勢いで仮説・検証・実行・改善を繰り返し、多彩なプロジェクトを成功させてきた西野亮廣さん。ベストセラー『夢と金』の著者でもあり、現代の日本において、ビジネスパーソンがベンチマークすべき人物の筆頭といえる西野さんの“今”をお届けする連載。

TEXT=西野亮廣

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