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2022.02.18

【西野亮廣】“老後のため”に生きる人の恐ろしい末路──連載「革命のファンファーレ2」Vol.30

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は「老後の為に生きる人の末路」という、なんだかおぞましいテーマでお話ししたいと思います。
お金の話です。

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

第30回 闇雲に「貯金しよう」では、あなたの老後は守れない

西野亮廣

お金を全く使わないと「稼ぐ力が増えない」

そんなこんなで本題です。
今日は、「老後の為に生きる人の末路」というテーマでお話ししたいと思います。

何年か前に「老後30年間で2000万円が必要」みたいな発表があって、ザワザワしたことがありましたよね。
年金も怪しいところですし、「退職金」が今ほど貰えるか分かりませんし、寿命もガン伸びするかもしれないので、実際に必要になってくる金額が「2000万円」かどうかはよく分かりませんが(そこはプロに聞いてください)、いずれにせよ、「まとまったお金」は必要になってきそうです。
その日に備えて、「キチンとお金を貯めておこう」という考えを持つことは結構なのですが、「貯めるにしても、ちゃんと考えて貯めた方がいいよね」というのが今日の話です。

個人的には「稼いだお金を全く使わない」というのは、そこそこリスクが高いと思っていて、一つ目のリスクとしては、お金を使わないと、「稼ぐ力が増えない」がある。

こういう時は、例えで「魚」と「釣竿」が引用されたりするのですが…
「毎日魚を3匹もらって、そのうち2匹食べて、毎日1匹の魚を貯める暮らしを延々続ける人」と、
「毎日魚を3匹もらって、そのうち2匹食べて、毎日1匹を保存して、10日目に、それまで貯めこんでいた魚10匹と、釣り竿1本を交換する人」
とでは、取り分が大きく変わってきます。

この場合、前者は「何も考えずにお金を貯める人」で、後者が「考えてお金を使う人」です。

で、ここでいう「釣竿」が、「資産」と呼ばれるものですね。
イメージしやすいところでいうと、「知識」です。

ちなみに、この時、「知識」と呼ばれるものを、「情報」と「知恵」の二つに分けて考えておいた方がいいのかなぁと思います。
日本のテレビのワイドショー等で手に入れられるのは、主には「情報」で、そこには「タレントの誰それが不倫した」といったものが混じっていたりします。
そして、そんな情報を飲み込むことに自分の時間を支払ったところで、何の助けにもならない。

一方で、皆さんがお嫌いな横文字でいうと、「クラウドファンディング」「フリーミアム」「ロングテール」「NFT」「ブロックチェーン」「web3」「DAO」…これらは「知恵」ですね。

「知恵」というのは、選択肢であり、生命力そのものです。

どうせ時間やお金を支払うのならば、「知恵」を獲得しにいった方がいい。
僕は、「知恵」を獲得する為に、現場に足を運んだり、本を買ったり、いくつかのオンラインサロンに入ったりしています。
そうして、お金を使うことで「稼ぐ力」を大きくする。

当然ですが、「稼ぐ力」を大きくしてから、貯めた方がコスパはいいですよね。
昔の人がよく言う「とにかく貯金しなさい」は、ここを大きく取りこぼしている。
「釣り竿なんて要らないから、魚を貯めなさい」と言っているようなものですね。

もっと大きなリスクは「人と繋がれないこと」

ここは、まぁ、「お金を使わないリスク」としてイメージしやすいところだと思うのですが、僕はそんなことよりも、もっと大きなリスクがあると思っていて…それが何かと言うと、「お金を使わないと人と繋がれない」ということです。
「自分の人生の関係人数が減っちゃう問題」ですね。

「こういう話を小学校でしてやれよ」と思うのですが、「お金を使う」ってどういうことかというと、誰かの何かを買っているわけですから、「誰かの生活を守っている」ということですよね。

逆に言うと、「まったく、お金を使わない」というのは、「誰のことも守らない」ということです。
これは、どう考えても危険で、「自分だけ助かればいいんだ」と思って、お金を貯め込んで、まわりのお店がバタバタ潰れていった場合、自分が何かを買いたい時に買えないし、それより何より、自分の商品が売れない。

自分が商品を売る時は、「自分の周りにいる人達がキチンと生活できている」が絶対条件なんですね。
まわりにいる人達の生活が破綻してしまっていたら、自分がどれだけ良い商品を作っても、売れないんです。

なので、「お金を使う」というのは、結局のところ、自分を守っていて、「防衛費」だと考えた方がいいと思います。

そして、そうやって、お金を回して、支え、支えられることで、人間関係を築くことができる。
ちなみに、僕は今日から3日ほどホテルに宿泊するのですが、「どうせなら」ということで、サロンメンバーさんが運営しているホテルを選びました。
僕、そこそこ本気で、サロンメンバーさんと一緒に老後を迎えようとしているんです(笑)。

ちょっとエグい話をしましょうか?
皆さんのご両親は今、「老後」を迎えている…あるいは、そろそろ「老後」を迎えると思うのですが、闇雲に「貯金しなさい」と言っていた人って、結構、友達がいないと思います。
ちょっとゾッとしますよね。

貯金を「是」としたことで、「稼ぐ力」が大きくなっていなくて、何より、人生の関係人数が圧倒的に少ない。
かなり孤独な30年間を過ごすことになる。

これ、今、結構問題になってますよね。
「定年退職したら、付き合う人が極端にいなくなった」という。
「仕事仲間はいたけど、友達はいなかった」という。

生きる上では、「孤独」が一番の敵なので、このあたりはよくよく考えていった方が良いと思います。
老後のことを考えることは、とても大切で、それ自体を否定しているわけじゃなくて、「考え方を間違っちゃダメだよ」というお話でした。

お知らせ!「キンコン西野と学ぶ! 仮想通貨勉強会『DAOって何?』」オンライン参加者3800名突破

3月2日に開催する、オンライン勉強会「キンコン西野と学ぶ! 仮想通貨勉強会『DAOって何?』※儲け話はありません」の参加者が「3800名」を突破しました。
こちらは、キングコング西野とCHIMNEY TOWNスタッフが、今後『NFT』や『トークン』の実験をしていく上で仮想通貨(暗号資産)について勉強するZOOM会議でございます。
配信は、Facebookグループで生配信。
(※アーカイブは4月末まで残します)
ブロックチェーンに詳しいエンジニアが、技術に詳しくないスタッフにわかりやすく説明するビットコインやブロックチェーンの初心者に優しい勉強会です。
仕組みを学ぶための会議ですので、儲かるとかそういう話は一切ありません。
この配信では、ビットコインをはじめとして、
ブロックチェーンやNFTについて簡単にまとめたあと、
「DAO(自律分散型組織)」について勉強します。
プログラムは、
=====
・ビットコイン、ブロックチェーン、NFTについてまとめ
・DAOって何?
・DAOで何ができる?
=====
といった感じです。
仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンの未来について興味がある方は、「キンコン西野 DAO」で検索してみてください。チケットは800円です。
よろしくお願いします。
【3/2 19:30〜配信】キンコン西野と学ぶ!仮想通貨勉強会「DAOって何?」※儲け話はありません
こちらから!

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

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連載
『革命のファンファーレ』から『夢と金』

猛烈な勢いで仮説・検証・実行・改善を繰り返し、多彩なプロジェクトを成功させてきた西野亮廣さん。ベストセラー『夢と金』の著者でもあり、現代の日本において、ビジネスパーソンがベンチマークすべき人物の筆頭といえる西野さんの“今”をお届けする連載。

TEXT=西野亮廣

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