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2022.01.14

奥川恭伸、杉本裕太郎、島内宏明、牧秀悟が一流になる前夜の物語──連載「スターたちの夜明け前」

どんなスーパースターでも最初からそうだったわけではない。誰にでも雌伏の時期は存在しており、一つの試合やプレーがきっかけとなって才能が花開くというのもスポーツの世界ではよくあることである。そんな選手にとって大きなターニングポイントとなった瞬間にスポットを当てながら、スターとなる前夜とともに紹介していきたいと思う。<a href="http://連載【スターたちの夜明け前】" rel="noopener" target="_blank">連載コラム「スターたちの夜明け前」年始総集編⑥

奥川恭伸

星稜高校2年時 2018年11月10日 明治神宮大会、対広陵戦

混戦のセ・リーグを制したヤクルトの投手陣で救世主的な存在となったのが奥川恭伸だ。プロ入り2年目ながら先発ローテーションの一角としてチームトップタイとなる9勝をマーク。クライマックスシリーズのファイナルステージでは1戦目の先発を任せられると、わずか98球で完封と完璧なピッチングを見せている――。

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杉本裕太郎

杉本選手 大学時代

青山学院大3年時の2012年5月1日 対中央大戦

25年ぶりとなるパ・リーグ優勝を成し遂げたオリックス。そんなチームの中で、以前のコラムでも取り上げた宮城大弥とともに今年大ブレイクを果たしたのが杉本裕太郎だ。昨年までの5年間ではわずか9本塁打しか記録していなかったものの、今シーズンの途中からは不動の4番に定着し、打率.301、32本塁打、83打点と主砲に相応しい成績を残してみせたのである。杉本は2013年のドラフト10位で社会人野球のJR西日本からオリックスに入団しているが、この順位からも分かるようにアマチュア時代は決して高い評価を受けていたわけではない。ちなみに過去に30歳を超えてからシーズン30本塁打を初めて記録したのは和田一浩(当時西武)だけであり、史上稀に見る遅咲きの選手と言っても過言ではないだろう――。

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島内宏明

島内選手 高校時代

星稜高校3年時の2007年8月12日 全国高校野球選手権 対長崎日大戦

以前のコラムで取り上げた杉本裕太郎(オリックス)と並んで、今年驚かされたタイトルホルダーと言えばパ・リーグの打点王に輝いた島内宏明(楽天)ではないだろうか。昨年までも“つなぎの4番”として出場することはあったものの、ホームランは2017年の14本、打点は’19年の57打点がキャリアハイであり、タイトルに絡むような数字は残していない。ところが今年は5月以降ほとんどの試合で4番を任されると、これまでの記録を大きく上回る21本塁打、96打点をマークして、プロ入り10年目にして初のタイトルを獲得したのだ――。

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牧秀悟

牧選手 大学時代

2019年8月26日 中央大3年時 対高校日本代表との壮行試合

空前のルーキー当たり年と言われた2021年シーズンだが、野手でナンバーワンの成績を残した選手と言えば牧秀悟(DeNA)になるだろう。外国人野手の来日が遅れていたこともあったが、開幕戦でいきなり3番に抜擢されてヒットを量産すると、8月25日の阪神戦ではサイクルヒットを達成。同じ大学卒の佐藤輝明(阪神)が後半戦に失速したのとは対照的に夏場以降も更に調子を上げ、最終的にはリーグ3位となる打率.314をマークするなど新人離れした成績を残して見せた。この原稿を書いている時点ではまだ新人王は発表されていないが、栗林良吏(広島)にタイトルは譲ったとしても、その活躍ぶりを考えると特別表彰などを受ける可能性は極めて高いだろう――。

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連載
スターたちの夜明け前

どんなスーパースターでも最初からそうだったわけではない。誰にでも雌伏の時期は存在しており、一つの試合やプレーがきっかけとなって才能が花開くというのもスポーツの世界ではよくあることである。そんな選手にとって大きなターニングポイントとなった瞬間にスポットを当てながら、スターとなる前夜とともに紹介していきたいと思う。

TEXT=西尾典文

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