彼にとって釣りは、孤独でも過酷でも忍耐でもない。 釣りに集中する無心の時間、海での解放感をシェアする仲間。 誰も見たことのない最高の船と、最強のチームが支え、 ゲストと喜びを分かち合う、とことん本気の遊びなのだ。
英知を結集させ最上の釣りをサポート
「僕にとって、釣りで重要なのは"快適"であること」。ダイニングイノベーション代表取締役会長の西山知義氏がだしたその答えが、最新鋭の魚群探知機や揺れを軽減するシステムなどの最高設備を搭載し、鯛からカジキマグロまで、どんな釣種にも対応できるよう設計した釣り船「ブルーフィン」。さらに海を熟知した仲間「チームN」を結成、釣りのパフォーマンスを支える布陣を組んだ。
「自分に足りない経験やお金で買えない知識は、スペシャリストの英知を集めて補うべき。さまざまなことを教えてくれる心強い仲間です」
遊ぶなら徹底的に極めるのが西山氏の流儀だが、それは単なる自己満足ではない。快適に過ごせる環境を作ることは、自分のみならず、ともに遊ぶゲストに最高の時間を体験してほしいという気遣いの表れでもある。この日も飲食業界の風雲児、サブライム代表取締役の花光雅丸氏とともに、佐島の別荘から出航。チームNが薦めるポイントで、水深やタイミングなどを見極めながら釣り始めれば、鯛やメジナなどが続々ヒット!
「ロッドに手ごたえを感じた時の興奮は格別。姿が見えない魚の力に、こいつはイサキか? 鯛か? どんな風に餌に食いついているんだ? と好奇心を刺激される。そしてリールを巻くうちに徐々に見えてくる魚影に、純粋にワクワクするんです」
魚の動きを想像し、釣りだけに集中する。西山氏にとっては貴重な"無心"になれる時間であるが、そこまで釣りにのめりこむ理由は、戦略が求められるが故の面白さにもある。
「まず何を釣るか魚種を決めますが、飲食業ならどんなお客様に来てもらうか。いわゆるターゲティングです。魚種が決まれば釣るポイントが決まるように、お店の場所も決まる。選ぶ餌はメニューで、水深が客単価、そして魚を引きつける撒き餌はPR。これがすべてうまく揃った時に魚が釣れる。ビジネスも同様、どれかひとつが的外れだと絶対にうまくいきません」
大きな釣果を得て、夜は大島に停泊。佐島より併走させたクルーザーで一夜を過ごす。
「釣った魚の料理を囲み、お酒を酌み交わす。キャンプみたいで、本当に楽しい時間です」
仲間と過ごす特別な時間、それこそが西山氏の野遊びの醍醐味。実は現在、ある渓流沿いに新たな秘密基地も計画中とか。ゲストがまた喜ぶ場所になることは必至である。
Tomoyoshi Nishiyama
1966年東京都生まれ。焼肉レストラン「牛角」など数々の外食チェーンを育て上げ、2012年ダイニングイノベーションを新たに創業。日本の外食産業に新風を吹きこみ、「KINTAN」「すみれ」などを国内外で展開している。