師匠か、恩師か、目をかける若手か、はたまた一生のライバルか。第21回は、元コンサルタントのふたり。
足立 光が語る水留浩一
初めて会った時は、32歳。競合会社のコンサルタントでした。同い年なのに、あまりの貫禄にびっくりしました。今とほぼ変わらないんですから。その後、同じコンサルティング会社に入るんですが、無理難題が次々に降ってきて。「あとは、よろしく」と。そんなところも貫禄あるわけです。ニューヨーク出張に一緒に行った時も、現地で体調を崩して「あとは、よろしく」。一緒にハードワークをやった仲です(笑)。
ひと足先に私が事業会社に移ったんですが、彼は42歳で日本航空の副社長に。これには本当に驚きました。見た目が老けているのはトクなんだなぁ、と改めて思ったり。でも、同い年でこのポジションは画期的でしたね。それからまたワールドで一緒に働くことになったんです。
年配の人にも可愛がられ、親分肌で部下にも慕われる。年齢以上にどっしり落ち着いて身構えている。いつか真似してみたいのですが、たぶん僕には永遠にできないと思います(笑)。
(これよりWEB版限定テキスト)
ワールドは声をかけてもらって入ったんですが、またしても「あとは、よろしく」と先に辞められてしまい(笑)。でも、次はきっと社長をやるんだろうな、と思っていました。
業種は意外でしたが、スシローさんに行かれた時は「やっぱり」と思いましたね。私にとっては、数少ない同世代の経営者なんです。今後の活躍を大いに期待しています。でも、寿司といってもハンバーガーにとっては競合。食べ物は全部、競合です(笑)。ここは負けるわけにはいかないですよ。
コミュニティも遊ぶエリアも似ていますから、またそのへんでばったり会いますね。
水留浩一が語る足立 光
メチャメチャやんちゃだなぁ、というのが最初の印象でした。コンサルタントがリュックサックで会社に来たらあかんやろ、と指摘した記憶があります。その時は違う会社にいたのに(笑)。その後、同じ会社になってたくさんのプロジェクトで一緒にモーレツに仕事をして。
私がワールドにいた時、飲み会でちょっと話をしたら、なんだかつまらなそうにしていたんです。それで、次は日本企業もいいんじゃない、と誘って。ワールドの海外事業をやってくれないか、と。その後の日本マクドナルドへの転身は、やっぱり行ったか、でしたね。事前に、そうなんじゃないの ? とLINEで連絡したら、「言えません」と返事が返ってきましたけど(笑)。
しかし、遊び心と飛び抜けた発想で、見事に再生させましたよね「。ヘーホンホヘホハイ(※ベーコンポテトパイ)」なんて、彼にしかOKできないでしょう。破天荒な突破力は真似したいですけど、たぶんできないと思います(笑)。
(これよりWEB版限定テキスト)
そういえば一度、ふたりで4時間、200曲くらいカラオケを歌ったことがありました。激辛採点機能をオンにして、次々に曲を入れていって。あれはいったい、なんだったんだろう(笑)。楽しかったけど。
生き方が本当にアバンギャルド。美容系の外資系企業にいた時は、会うたびに髪の色が変わってた。金だったり銀だったり(笑)。その後も、スーツはほとんど着ない。やんちゃぶりはずっと変わらないですね。今もLINEはアニメキャラ満載のスタンプでくるし(笑)。また、そのうちどこかで会うでしょう。
Koichi Mizutome(右)
スシローグローバルホールディングス 代表取締役社長CEO。1968年生まれ。電通、現アクセンチュア、ローランド・ベルガー日本法人代表取締役、日本航空副社長、ワールド専務などを経て2015年より現職。
Hikaru Adachi(左)
日本マクドナルド上席執行役員マーケティング本部長。1968年生まれ。P&G、ブーズ・アレン・ハミルトン、ローランド・ベルガー、シュワルツコフヘンケル、ワールド国際本部長などを経て2015年より現職。