日本のラグジュアリーホテル市場が活況だ。日本初進出のブランド、日本の老舗ホテルなどが日本人ですら心湧き立つ、かつてない価値を生みだしている。そんな最新ホテルから今回は、東京・赤坂の「1 Hotel Tokyo」をご紹介! 【特集 最先端ラグジュアリーホテル】

東京の空に浮かぶ「静かな森」のホテル
「たったひとつの地球を私たちはシェアしている」
そんな思想から生まれたホテルがある。スターウッド ホテルズの創業者であり、Wホテルを生みだしたバリー・スタンリヒト氏が立ち上げた「1 Hotels」だ。2015年に持続可能性をテーマにマイアミに誕生、館内に配された多くの植栽と、徹底した環境への取り組みで支持を集めてきた。現在は世界各地に展開し、この春ついに日本にも上陸を果たした。それが2026年3月にオープンした1 Hotel Tokyoだ。
赤坂トラストタワーの38階から43階、眼前に東京タワーを、そして眼下には忙しなく動き続けるオフィス街を見据える。東京の中心にありながら、この1 Hotel Tokyoの中は、まるで静かな森のよう。ロビーのインテリアには温かい色調の木材が使用され、さらに大小300以上の植物の鉢があちこちに配置されている。驚くことにホテル全体ではおよそ1500の植栽があるという。南国を思わせる大きな葉の間を進むと、ロビーの中央にはバー「スポッテッド ストーン」が。ジャパニーズ・クラフトジンを50種類以上揃えるバーだ。緑に囲まれながら、ジンのボタニカルの香りを楽しめば、日本ならではの自然や、蒸溜家のクラフトマンシップを感じることができるだろう。
バーを出て、苔の敷き詰められたオブジェを横目に廊下を進む。全211室のうち1室のみのトップスイート「Hinata House King」へ。部屋に一歩足を踏み入れると、そこは親しい友人のアパートメントに訪れたかのような温かみに満ちていた。曲線の美しい木目調のインテリアに、思わず抱きしめたくなるような、やわらかな生成りのファブリック。広々としたソファに寝転べば自然と「ただいま」と呟きたくなる。
1 Hotelsが最も力を入れているのが、そのサステナビリティへの取り組みだ。1 Hotel Tokyoでも館内はペーパーレス化、脱プラスチックが徹底されている。「Do Not Disturb」の札は、紙やプラスチックではなくなんと石だったり、ルームキーもリサイクル木材でできている。
また、メモ用紙の代わりのチョークボード、ペットボトル飲料水の代わりに、専用の浄水システムを備えたウォータータップを全室に完備する。タンブラーにタップから清らかな水を注げば、豊かな時間に満たされていくのを感じるだろう。さらに室内のアートの素材の一部には、このホテル建設の際に使用した足場の木材を再利用している。レセプションの壁は、北米の道路の柵として使われていた木材を利用するほか、世界中から集めた廃材をアップサイクルしてホテル全体をかたちづくっているのだ。
面白いのは、旅行中に荷物が増えてしまい、不要になった衣類がある場合、客室に置いておけば地域コミュニティに寄付できる「1 Less Thingプログラム」もあるところ。自身が身につけていたものにも、新しい役割を与えることができる。
南仏の香りを感じるダイニングで寛ぐ
38階のレストラン「NiNi」では、ニースなど南仏の海岸沿いで食べられる素材を、日本らしく再解釈した創作料理が振る舞われる。熊本県産みやび鮪や但馬経産和牛など、持続可能性に配慮した生産者の素材を積極的に使用。また、レストランのバーエリアでは南仏を想起させるロゼワインやカクテルも用意されているから、アペリティフから食後酒まで、さまざまに楽しむのもいいだろう。
地球を慈しみ、都市を旅する。その舞台に新たに東京が加わったことを誇りに思いながら、南仏のワインとともに、いつもと違った東京を愉しみたい。
Restorative Elements “Sustainable”
客室に置かれるグラスの一部は元々、ワインボトルであったものをアップサイクルしたもの。シャワールームには自分が何分間水を出しているか測る砂時計が設置されているなど、あらゆるところで環境への“気づき”を与えてくれる。何気ない自分のアクションが、たったひとつの地球に還元されていく。リゾート的空間の中で改めて実感することで、滞在後の意識もきっと変わって、豊かな気持ちとなるだろう。
2026年3月OPEN
1 Hotel Tokyo/ワン ホテル トウキョウ
住所:東京都港区赤坂2-17-22 赤坂トラストタワー38〜43F
TEL:03-6441-3040
施設:客室211室(3つのペントハウスを含む24室がスイート)、コンテンポラリーダイニング、ロビーラウンジ&バー、ジャパニーズ・クラフトジンバー、カフェ、フィットネス、スパトリートメント、プール、ミーティングルームほか
この記事はGOETHE 2026年5月号「総力特集:HOTEL 動と静の最新リカバリー拠点」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら















