英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第353回。今回は映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』で主役を演じるライアン・ゴズリングのセリフ“Having a moment.”

直訳は「一瞬を持っている」? 映画のセリフで知った“Having a moment”の深い意味
先日、映画館で『プロジェクト・ヘイル・メアリー』という映画を観てきました。
ネタバレしたくないのであまりあらすじはお伝えできませんが、すごく簡単に言うと、ライアン・ゴズリング演じる科学教師が宇宙を救うために奔走する、というような話です。
宇宙のとある風景を見た科学教師が、あまりの美しさに一瞬動きを止めてしまうシーンがありました。その際に「どうした? なにをしている?」と問われて、こう答えていたのがすごく感動的でした。
Having a moment.
日本語字幕では確か「堪能している」か「浸っている」と出ていたと思います(1度観ただけなので、記憶が定かでないのですが、そんなような意味のことが書かれていたと認識しています)。
直訳すれば「一瞬の時間を持っている」ですが、それはつまり「その時間に浸っている」という意味になるのだなと、映像美とあいまってとても印象的なシーンでした。
ケンブリッジの英英辞典を引いてみたら、このように説明されていました。
Be having a moment=
to not be acting normally for a short time, for example because you are not thinking about what you are doing, or because you are feeling a strong emotion.
(自分がなにをしているのかわからなくって、あるいは、強い感情によって、一瞬普段通りに動けなくなる状態)
映画ではあまりの美しさに動きを止めてしまったので、まさにこの説明のとおりでしょう。
こういう例文も出ていました
He was staring out of the window and he didn't answer me - I think he was just having a moment.
(彼は窓の外を見つめ、私の質問に答えなかった。多分、浸っていたんだろう)
「感情が高ぶっている状態」から「トレンド」まで。日常で使える便利な英語表現
また、Be having a momentには以下のように「今、人気が高まっているもの、脚光を浴びているもの」という意味もあるのだとか。
Right now, oversized shirts are having a moment.
(今、オーバーサイズのシャツが流行している)
「浸っている」と「流行っている」、どっちも結構使う言葉なので覚えておきたい表現です。
映画館から帰ってきてからずっと、私は関連動画や監督のインタビューなどを見まくっています。ハマったのだと思います。
数々の名シーンを思い出しては皿洗いの手をとめてぼーっとし、仕事中も気がついたら「ヘイル・メアリー」と検索窓に打ち込んでいるなど、気がつけば随所でhaving a momentしてしまっています。

