友人の森岡督行さんが生まれ故郷の山形県寒河江市で“百貨店”をプロデュースしたというので見に行ってきた。場所は「フローラ・SAGAE」というショッピングビルの1フロア。そもそも東京の銀座で1冊の本を売るという独特な書店の店主の彼がどんな百貨店を作るの?

“普通のデパート”のワンフロアが大変貌を遂げた
東京で「一冊の本」を売る彼が、山形県寒河江市で「百の品」を売る(一部は非売品もあり)店。アート、工芸、衣料、雑貨など、森岡さんの目で集められた品物、そしてその見せ方は流石なのだ。
かつて、普通のデパートだったショッピングビルの1フロアの中央を大胆にもカフェを中心としたコワーキングスペースにして、誰でも自由に利用可能な場にしてしまった。それを囲むように、売り場があり、さらにレンタルオフィスや会議室、レンタルキッチンもある。
さてさて、いちばん興味深い商品について見ていこう。森岡さんを茅場町の店舗から知っていて、そして現在の銀座の店のイメージ(それが入ってるビル)や彼のオフィスを知っている僕には想像しやすいが、ここ、寒河江百貨店はそんな森岡さんのセンスが実際に買える店になっている。


この店で見つけたものをいくつか紹介していこう。いいなと思うものに限って、非売品なのが残念だ。

シェイカー教の伝統を受け継ぎ、Brick by Brickの白木克洋が作成したオーバルボックス復刻セット。入れ子式の5サイズで、収納性とディスプレイ性を兼ね備えている。各¥66,000
シェーカー教徒は衰退してしまったけれど、「美は実用の中に宿る」という信念のもと、極めてシンプルで機能的な「シェーカー家具」を制作し、残し、それは我々の生活の中に取り入れたいものとして生き続けている。
森岡さんのもの選びはシェーカーの人たちが遺したものや目白にあった古道具坂田の影響を受けているような気がして、僕は好きだ。
他に衣料や古着などもある。

1974年山形県寒河江市生まれ。寒河江百貨店コンセプター、森岡書店店主。東北芸術工科大学客員教授。著書に『800日間銀座一周』(文春文庫)、『ショートケーキを許す』(雷鳥舎)などがある。GINZA SIX Podcast「銀座は夜の6時」ではパーソナリティーを担当している。
寒河江百貨店
住所:山形県寒河江市本町2-8−3
営業時間:10:00〜19:00
Yoshio Suzuki
編集者/美術ジャーナリスト。雑誌、書籍、ウェブへの美術関連記事の執筆や編集、展覧会の企画や広報を手がける。また、美術を軸にした企業戦略のコンサルティングなども。前職はマガジンハウスにて、ポパイ、アンアン、リラックス編集部勤務ののち、ブルータス副編集長を10年間務めた。国内外、多くの美術館を取材。アーティストインタビュー多数。明治学院大学、愛知県立芸術大学非常勤講師。











