TRAVEL

2026.04.02

コンセプトは”現代の町家”。エグゼクティブを虜にするホテル「カペラ京都」

日本のラグジュアリーホテル市場が活況だ。日本初進出のブランド、日本の老舗ホテルなどが日本人ですら心湧き立つ、かつてない価値を生みだしている。そんな最新ホテルから今回は、京都・嵐山の「カペラ京都」をご紹介! 【特集 最先端ラグジュアリーホテル】

「カペラ京都」の外観
隣接する宮川町歌舞練場の意匠を取り入れた、唐破風屋根を特徴とする中庭。美しい水盤とともに、桜の木が配され春の開花を待つ。

京都・宮川町で新たな伝説が始動。現代の町家の深層へと誘われる

世界中の旅慣れたエグゼクティブたちを虜にするカペラホテルズ&リゾーツ。彼らが日本初上陸の地として定めたのは、京都の美学が凝縮された街・宮川町だった。140年の歳月を刻んだ新道小学校の跡地が、建築家・隈研吾氏の手によって地域と共鳴し、歴史を再解釈したラグジュアリーの極みへと再生を遂げた。

カペラ京都の舵取りを担うのは、2025年の「世界ベストホテル50」で名門カペラバンコクを第一位へと導いたジョン・ブランコ氏だ。カペラ京都の統括総支配人を務める。

「カペラが尊ぶのは、その土地の文脈、職人たちの矜持、そして積み上げられた伝統です。花街の情趣が残る宮川町、そして禅の聖地・建仁寺(けんにんじ)に隣接するこの地は、私たちが長年追い求めてきた“歴史と地域性が交差する理想郷”でした。ここでの挑戦は、ブランドにとっても長年の悲願だったのです」

ホテルのコンセプトは「現代の町家」。隈氏は、広大なロビーや華美な空間は造らず、障子や建具で仕切られた自然素材重視の小スペースを重ねた。次の一歩先に「何があるのか」と期待させるその設計は、まさに京都の路地を彷徨うような高揚感をもたらしている。

シンガポールのデザイン事務所、ブリューイン デザイン オフィスによる内装も、お茶屋文化への敬意を湛えたもの。エントランスから路地のようなアプローチを進むと、まず現れるのは「結界」を象徴するしめ縄のアート。さらに漆の幽玄なアート、力強い竹のオブジェが現れ、ゲストは知らず知らずのうちに、カペラ京都の世界観へと誘われていく。

「カペラ京都」玄関の結界
玄関の結界を越えて廊下を進むと西村圭功氏の漆作品が迎える。

「京都の本質は、千年の伝統を守りつつも、革新ということにも挑戦する職人たちのエネルギーにあります。館内に配されたアンティークから現代のアートピースまで、進化し続ける“京都人の鼓動”を肌で感じてほしいですね」

さらなる静謐をもたらすのは、計算し尽くされた庭園と水の演出である。シグネチャーレストラン「SoNoMa by SingleThread」、そしてオールデイダイニング「Lanterne」は、池のあるこの中庭を囲むように配されている。また、ホテル館内の吹き抜けには、力強い石組みを伝う滝が造られ、リビングルームや地下の宴会場を、穏やかな水音で満たしてくれる。まるで再生の泉のようで五感に訴えかけ、心身が癒やされていく。

最高のホスピタリティはポジティブなエネルギー

全89室のうちスイートは29室。なかでもプライベート温泉のある「温泉スイート」は、多忙を極めるエグゼクティブにこそふさわしい。疲れた心身をフラットにしてくれるだろう。そして、ホテルの象徴とも言えるのが、最上階の「カペラスイート」。建仁寺の壮大な伽藍と宮川町の街並みを一望するこの特別室では、専任のカペラ カルチャリストがゲストの願いを形にするという贅沢が許される。

「ホテルに真の命を吹きこむのは、ハードではなく“人”なのです」とブランコ氏は断言する。 「スタッフ自身が生き生きと輝き、尊重されていると感じること。そのポジティブな波動がゲストへ伝わり、唯一無二の体験へとつながります。ナンバーワンの称号は、ワクワクしながら働く環境を整えた先に、自然とついてくる結果に過ぎません」

夕刻、舞妓の優雅な舞や三味線の音色がリビングルームに響きわたり、朝、滝の音を背にブレスワークで心身を調律する。ここで過ごす時間は、京都の深層へアクセスし、自身の内面を見つめ直す、洗練されたゲートウェイになるに違いない。

Restorative Elements “Culture”

コンシェルジュではなく、京都の文化や歴史に精通した「カルチャリスト(キュレーター)」が滞在をサポート。ゲストひとりひとりの好奇心に合わせて、ガイドブックに載っていない“地元の本物の体験”をプロデュースしてくれる。ホテルの中心部のエリアには宿泊者だけが第2の我が家のようにアクセスできる「リビングルーム」があり、カルチャリストとの対話のほか、京都らしい多彩なアクティビティを楽しめる。

2026年春OPEN
カペラ京都/Capella Kyoto
住所:京都府京都市東山区大和大路通四条下る四丁目小松町130
TEL:075-541-8877
施設:客室89室(スイート29室含む)、シグネチャーレストラン、フレンチブラッスリー、ナイトダイニング、ペストリーショップ、シグネチャースパ施設ほか

【特集 最先端ラグジュアリーホテル】

この記事はGOETHE 2026年5月号「総力特集:HOTEL 動と静の最新リカバリー拠点」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=中井シノブ

PHOTOGRAPH=福森クニヒロ

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