TRAVEL

2025.01.13

年間300日以上晴れる“トルコのハワイ”。アンタルヤはゴルフ天国だった

いま、植毛先進国として各国から旅行者を集めているトルコ。以前、アンタルヤのクリニックでの取材を元に植毛事情をリポートしたが、その地は大人の遊びに溢れたリゾート地でもある。そこで、今回はゴルフを中心とするアンタルヤのバカンスをご紹介。

宮崎と同じ緯度で冬でも15℃を超える日が多い。

地中海に面した一大リゾート地、アンタルヤを探訪

イスタンブールから南東へ約700kmに位置するトルコ第5の都市アンタルヤ。そこは地中海に面した一大リゾート地であり、“トルコのハワイ”“トルコのリビエラ”とも例えられる。欧州と繋ぐ国際線も豊富で、3時間半あれば各国56都市からたどり着く。市場調査会社ユーロモニターが発表した「2023年に最も海外から旅行者が訪れた都市」では4位にランクイン。年間1650万人もの旅行者がアンタルヤ国際空港に降りたったという。

なぜそんなに人気かといえば、第一に晴天率の高いビーチリゾートだから。1年の晴天日数は300日以上。名のあるビーチが8カ所以上はあり、2000軒以上のリゾートホテルが旅人を迎え入れる。ヨットが停泊する港もあり、無人島へ出るヨットツアーも盛況だ。

アンタルヤの海岸は、その青さから“ターコイズ・コースト”とも呼ばれる。

2000年以上前の遺跡も現存する街

アンタルヤが属する地域の古代名パンフィリアが初めて登場するのは、紀元前1200年頃の文献。街には紀元前を含む遺跡が大小100も現存する。2大スポットとなるのは紀元前1000年からの集落跡「ペルゲ遺跡」と、2世紀頃に造られた「アスペンドス遺跡」だ。

特に「アスペンドス遺跡」は円形劇場が圧巻。現存するローマ時代の劇場のなかでは最も保存状態がよい。その中で声を出せば、いかに音響効果のよい劇場だったか時代を超えて実感できる。なんといまもダンスやオペラの会場として使用され、ステージの荘厳さは途方もない歴史あってこそ。そんなタイムトラベル的体験も、アンタルヤの醍醐味だ。

規格外のゴルフ付きオールインクルーシブ・ホテルへ

ゴルフ場に面するヴィラもある「レグナム・カリヤ」。予約は3泊以上から。

1990年代後半から、アンタルヤは世界的なゴルフリゾートへと発展を遂げた。トルコにはゴルフ場が20しかないが、そのうち16が「べレク地区に密集する。1994年には「ナショナル・ゴルフクラブ」、2008年には隣に「カリヤ・ゴルフクラブ」が開業。その2カ所のためのホテルとして2014年に誕生したのが、「レグナム・カリヤ(Regnum Carya)」だ。

8年前から「カリヤ・ゴルフクラブ」で欧州ツアーが開催されるようになってから、ホテルは欧州のゴルフ好きの定番リゾートとなった。魅力はあらゆる飲食が含まれる贅沢なオールインクルーシブでゴルフも割安なこと。2名1室3泊の場合、1室税込617ユーロ(約10万円)からで、最も小さい客室でも62㎡以上。ホテル滞在者のゴルフは120ユーロから(約1万9500円)。ひとり約7万円のゴルフ合宿は充実度が高く、毎年通うゴルフ好きも少なくないという。

実は、親会社はトルコ最大の石油会社。潤沢な資産を元にゴルフリゾートを開業したので、まず箱が規格外だ。敷地面積は約105万㎡もあり、約87万㎡の銀座より広い。プライベートビーチは全長250m、最大の宴会場は2100㎡。2025年夏には新たな宿泊棟が完成し、客室数は1000室以上となる。

ホテル棟からプール付きヴィラまで多彩な客室を揃え、度肝を抜くのが館内最大となる「クラウン ヴィラ」だ。広さ3500㎡で大人14名まで宿泊が可能。洞窟内のシアタールームやスパ、442㎡のプールを揃え、もはやひとつのホテルのよう。

後述する飲食店は35軒入って大半がインクルーシブ。施設内にウォーターパークや小さな動物園もあり、庭では孔雀が闊歩する。プロスポーツ選手に合宿を提供するため、4つのテニスコート、FIFA規定の3つのサッカー場、ビーチバレーコート等まで完備。国際会議の会場になることも多く、2015年にはG20サミットが行われた。

欧州ツアーも開催されるコースで大人のゴルフ合宿を

客室でゴルフウェアに着替え、そのままバギーで「カリヤ・ゴルフクラブ」へ。全長7127ヤードのコースは、松やユーカリの木に囲まれたクラシックなヒースランドスタイル(英国内陸部の原野を模した環境)。

「傷ひとつない手入れの行き届いたグリーン」「素晴らしいホールばかりで、特に18番がチャレンジングかつ美しい」と、レビューでも称賛が多くリピート率が高い。高出力の投光照明によって夜遅くまでプレーすることができ、なんと営業は夜11時まで。植毛後、紫外線に注意したい人にとっても好都合だ。

飲食の選択肢が異次元なオールインクルーシブ

35軒ある飲食店のうち、16のレストランと14のバー&ラウンジでの食事とドリンクが宿泊費込み。トルコ料理はもちろん、タイ料理、イタリアン、ブラジル料理といった各国料理や、アイリッシュバーもカクテルバーもフリー。客室冷蔵庫内のお酒もプールサイドで頼むお酒も該当し、フリーでないものを探す方が難しい。1年いても制覇できないほどの飲食がホテル内に集結している。

驚くのが、ビュッフェを提供する「オリーブ・レストラン」の品数だ。全600品と公表されているが、1000品以上と思うほど広く、フードコート丸ごとビュッフェの状態。朝はバターだけで10種以上並び、昼は魚屋や肉屋が登場して目の前で焼いてくれる。さらにキッズクラブレストランでは、離乳食も含む子供専用ビュッフェを用意。

日本ではあり得ないのが、オールインクルーシブに入る店でも、客室番号すら聞かれずサインもないこと。誰もが当然のように好きなものを注文し、食べ終わったら去るだけ。ここまで適当、もとい大らかなシステムもトルコの巨大リゾートならでは。会計を気にする必要がないのに加え、何にも縛られない解放感に満ちている。

多くのウェルネスや遊びまでオールインクルーシブ。ビーチでのヨガやピラティス、サウナなどは無料。エンタテインメントも充実しており、アーティストのブッキング力がもの凄い。かつてリアーナ、デュア・リパ、クリスティーナ・アギレラ、ジェイソン・デルーロらがホテル内の舞台に立ち、当日の宿泊費は上がるものの、ライブもインクルーシブ。会場のキャパシティは約3000人なので、スーパースターを間近で見られるチャンスとなる。

毎夜のパーティーだけでも満足度は高い。妖艶な装いに扮したダンサーたちのショーは、海外リゾートをまた別の異世界に変貌させる。ジャズからロックまでライブは多種あり、「Green Bar」ではシンガポールの「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」のような光のなか歌声が響く。そこでカクテルを運ぶのはローラースケートを履いたご機嫌な青年。この非日常感は有料でも味わいたいくらいだ。

以上がアンタルヤの見どころと拠点となるリゾートの概要。アンタルヤのゴルフバカンスは、規格外なオールインクルーシブも手伝い、想像以上に楽しいトルコ旅行となるはず。

レグナム・カリヤ(Regnum Carya) https://www.regnumhotels.com/en/
取材協力/ターキッシュ エアラインズ https://www.turkishairlines.com/ja-jp

TEXT=大石智子

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