ブームの再来もある!? 猫系ハッチバック「プジョー208」【クルマの教養】

歴史ある名車の"今"と"昔"、自動車ブランド最新事情、いま手に入るべきこだわりのクルマ、名作映画を彩る名車etc……。国産車から輸入車まで、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う自動車ライター・大音安弘が、さまざまな角度から“クルマの教養”を伝授する!

かつての勢いを取り戻しつつあるプジョー

今、密かに支持率を高めている輸入車が、フランスの「プジョー」だ。無論、ドイツ車のような大きなものではないが、昨年、13年ぶりに販売台数が1万台を突破。日本でもプジョーの名が広く知られるようになった2000年代の勢いを取り戻しつつあるのだ。

その理由は、やはり商品力の向上が大きい。フランス車らしい洒落たデザインはもちろんのこと、質感や機能、走りというトータル性能が高められている。事実、ブランドの中核となるCセグメントモデル「プジョー308」は、ライバルとなる輸入車の大定番「VWゴルフ」と比較しても、良い勝負をするなと思わせるほど……。そんなプジョーから、今秋、気になるコンパクトカーが上陸した。それがBセグメントハッチバック「ニュー208」である。

全面刷新のデジタルな2世代目

プジョー208は、欧州でBセグメントと呼ぶコンパクトカーにカテゴライズされるが、そこは、ルノー クリオ(日本名:ルーテシア)、VWポロ、フォード フィエスタ、トヨタ ヤリスなどの実力派が揃う欧州の激戦区。当然、ユーザーの目も厳しい。それだけに、小さなクルマといえど、侮れないのだ。

新型208は全面刷新を図っており、プラットフォームも新世代にシフト。先進の安全運転支援機能の搭載やEVの「e-208」の設定など、最新世代のクルマに求められる機能もしっかりと押さえる。

しかし、208の最大のアピールポイントは、そのキャッチ―なデザインだ。小さいながらも存在感は抜群。スポーティかつエネルギッシュでありながら、愛嬌もしっかりと備えているのがニクイ。

その立ち姿は、どこか猫っぽくもある。因みに、プジョーのブランドロゴは、ライオンがモチーフ。その姿を体現したものともいえるだろう。

室内に乗り込んでみると、さらに気持ちが盛り上がる。実用クラスでありながら、質感が高く、デザインも近未来的。どことなくSF映画に登場する宇宙船のコクピットチックでもある。

最もモダンなのが、メーターパネルのデザインで、形状だけでなく、なんと表示も3D。これは単なる演出ではなく、安全性を重視したデザインとのこと。重要な情報を前面に表示することで、ドライバーが直感的な理解ができるようにしてあるのだ。

路地裏を気ままに駆け回る猫のように

試乗したのは、充実装備グレード「アリュール」のガソリン車。1.2Lの3気筒ターボエンジンを搭載。最高出力100ps、最大トルク205Nmの実用的なスペックを備える。しかし、軽量コンパクトなボディだけあって、想像以上にキビキビ走る。特に街中では、小径ステアリングが効果を発揮し、水を得た魚、いや気ままに路地裏を駆け回る猫のように振る舞う。

これは欧州都市の入り組んだ路地を駆けるのも心強いだろう。それはタイトで複雑な道路事情を抱える日本でも同様だ。つまり日本にも馴染むコンパクトカーなのだ。

キビキビしてスポーティな走りを見せるが、決して乗り心地は悪くなく、ロングドライブでも疲れにくい。足が固すぎないこともあるが、ソフトなシートの恩恵も大きい。意外と頼れるやつなのだ。

確かに大きなクルマは便利である。しかし、その反面、サイズが仇となる機会も多い。気軽に移動の喜びを満喫するなら、やはりコンパクトカーが良い。その選択肢は多いが、その時、ワクワクと華もある208を選ぶのは悪くない。きっと自由気ままなドライブを楽しませてくれるはずだから。


大音安弘
大音安弘
1980年埼玉県生まれ。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ベストカーWEB』『webCG』『モーターファン.jp』『マイナビニュース』『日経スタイル』『GQ』など。歴代の愛車は、国産輸入車含め、全てMT車という大のMT好き。
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