「ヘッドが走る」感覚はウェッジで会得する!

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム44回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
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「ヘッドが走る」の正体とは?

プロや上級者がよく使う「ヘッドが走る」という言葉。体感したことのない人にとっては、分かるようで分からない感覚だ。しかしこの走る感覚を持つか持たないかでは、スイングやスコアの到達できるレベルが大きく違ってくる

。ヘッドが走るというのは、インパクト付近でクラブヘッドが手元を追い越して加速するということだ。シャフトのしなり戻りを利用し、自分の力だけでクラブを振り下ろす以上に速いヘッドスピードで振ることができる。

自分の力以上のエネルギーを出す

ヘッドを走らせるという言い方をするが、インパクト周辺で手や腕の力を使ってクラブヘッドを加速させる動きは効率的ではない。遠心力などによって「ヘッドが自然と走る状態を作る」というのが適切な表現になるだろう。そのためにはダウンスイングでクラブが腰の位置まで下りてきたら、手は徐々に減速する必要がある。ダウンスイングでは手や体は既に勢いがついている状態なので、これらがインパクトまで加速し続けると肝心のクラブが加速しない。ダウンスイング後半で体や手元が減速することで、クラブがしなり戻りヘッドが加速していくのだ。この動きが適切にできればヘッドが慣性の力によってボールに向かって加速する感覚を体感できるはずだ。

イメージがわかない人は棒状のクラブではなく、軟らかいいムチのようなものを振っていると思えばよいだろう。ムチを振り下ろすときダウンスイングの途中で手元が減速すれば先端側が加速するはずだ。腕の付け根を力点、手元を支点、先端を作用点としたてこの原理だ。これを使えば自分の体を目いっぱい使ったり、腕力頼るよりも速くヘッドを動かすことができる。

まずはアプローチから

ドライバーなど長いクラブは振りにくくイメージがしにくいので、短いウェッジで練習をしてみよう。まずは素振りからだ。思い切り振る必要はなく、力感と振り幅を6割程度にして、インパクト直前にヘッドが手元を追い越す感覚をつかむ。今までダウンスイングで手を目標方向に動かしてリリース(コッキングされた手首の角度を元に戻すこと)が遅くなっていた人は、ダウンスイングでクラブが右腰辺りに下りてきた時にクラブをリリースするイメージをしてみるとヘッドが走る感じがつかめるだろう。手先だけでリリースするとすくい打ちになる可能性があるので、クラブヘッドの重みを感じながら手が受動的に動くように行う事がポイントだ。

これができてきたら、10cm程度にティアップしたボールをこれまたウェッジで打ってみる。プロのバンカーショットと同じように、フォローでヘッドが先に抜け、ボールが後からふわっと上がるようになれば、ヘッドが走っている状態と言えるだろう。

これらの練習は実践のアプローチでも使える。ヘッドが走るようになればバックスピンが多くなり高くて止まる球が打てる。さらに必要以上にハンドファーストなインパクトにはならないので、リーディングエッジが地面に突き刺さることなく、ヘッドがボールをひろってくれるようになるだろう。

飛距離が伸び悩んでいたり、アプローチでザックリが多い人はヘッドを走らせることを意識して練習に取り組むと、スコアの壁を破ることができるかもしれない。

続く



Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ



吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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