英語コーチングサービス「トライズ」で"1日3時間、年1000時間"の英語学習に挑んだゲーテ編集部員の挑戦記・最終回。1年間の学習を終えた今、トライズでの挑戦は、英語のスコア以上の資産を筆者に残してくれたと断言できる。#1 #2 #3

“目標達成度60%”の意味
トライズでの挑戦が始まったのは2025年春だった。それから約1年。家事の時間や通勤時間を使って毎日の学習を積み重ね、週3回ネイティブ講師と英会話レッスンをこなしてきた日々が、ひとまずの区切りを迎えた。
第1回で触れたように、今回、目標に掲げていたのが「海外のワイナリー取材で、通訳を介さずに話の内容を理解し、質問できるようになること」。トライズ最終日、この目標に対して担当コンサルタントの有馬さんに自己評価を問われた筆者の答えは「60%」。これが、正直なところだった。
ただ数字として見れば、VERSANTスコアはスタート時の39から最終的に50まで上昇。「海外赴任レベル」とされる47をクリアし、なおかつ「音を聞く→頭に意味が浮かぶ→言うべき言葉が口から出る」というサイクルが自動的に回っているという手応えも感じている。ネイティブの「Ask her」が「アスカー」にしか聞こえず頭を抱えていた1年前の自分からすれば、奇跡に近い進化だ。
1年間のトータル学習時間は「810時間」。1000時間には届かなかったものの、トライズ受講者のVERSANTスコアアップの平均が「10〜12点ほど」というデータと照らし合わせると、800時間でもその数値を達成することができた。これは、トライズの学習法が、“確実に英語力を上げてくれる仕組み”になっていることを証明していると思う。
実際、外国人の取材相手に対し、通訳を介さずとも雑誌や企画趣旨の説明、ベーシックな質問はスムーズにできるようになったし、相手が話している英語の内容も格段に理解できるようになった。
それでも先述したように自己評価が「60%」だったのは、勉強を進めれば進めるほど「英語学習にゴールがない」ことを痛感したからだ。当初イメージしていたレベルには到達できた一方で、英語力が伸びたことで、自分のなかの“理想の基準”も無意識に引き上がる。相手が話す英語が分かるからこそ、脳内に浮かんでくる質問の内容が高度になり、そこに自分の英語力が追いついていないことに気づくのだ。これが「達成度60%」の中身である。
トライズを終えたあとに本当に向き合うべきなのは、「どこまで到達したか」ではなく、「ここから先、どう学習を続けていくか」。最後の1ヵ月は、この新たな目標を意識しながらの学習となった。

1年を経て初めてわかった「効く勉強」の正体
最終コンサルティングでは、この1年の学習を俯瞰する時間が設けられた。
有馬さんから「一番しっくりきた学習はどれですか」と質問されたが、筆者は当初「全部が繋がっているから選べない」としか答えることができなかった。シャドーイングで耳を鍛え、フレーズ暗記で口に叩き込み、ネイティブとのレッスンでアウトプットする。この3つがセットになって初めて英語力という「筋肉」がつくことを身をもって理解したからだ。
しかし、有馬さんとともにさらに「しっくりきた学習」を掘り下げていくと、1年間で使った全教材のうち、筆者の場合は、忙しい時でもやりやすい「スキマ時間でサクサク進められる教材」に取り組みやすさを感じていたことがわかった。この“学習を取捨選択する眼”が、今後の英語学習の継続に欠かせないと有馬さんは言う。
「トライズという強制力がなくなった後は、無理が生じる学習方法では続きません。自走において一番大事なのは、自分にとってしっくりくる学習、楽しいと思える学習を選ぶこと。隙間時間でできる、サクサク進む、といった感覚を大切にしてください」
有馬さんは、トライズ卒業後しばらくの間の学習計画も提示してくれた。自走学習へスムーズに移行できるよう伴走してくれる専属コンサルタントの有り難みを最後の最後まで感じる。
この1年間で、スコア以上にトライズで得られた大きなものがある。それは正しい英語学習方法を知れたこと、そして、英語学習を続けるためノウハウを知れたこと。これは一生モノの財産だと言えるだろう。

卒業後の選択肢にはどんなものがある?
トライズを卒業する受講生には、大きく3つの選択肢があるという。フルプログラムを継続する、コンサルタントサポートやレッスンを一部継続しながら自走する、完全卒業、の3通りだ。筆者は一旦“完全卒業”を選んだが、トライズでは「一部継続しながら自走する」メニューが豊富にラインナップされている。
例えば「お気に入りのコーチとレッスンを続けたい」という人は、週1回だけネイティブコーチとのアウトプット機会を確保したり、「自己学習のサポートだけ欲しい」という場合はコンサルタントサポートのみのプランに切り替えることもできる。12ヵ月から6ヵ月へ期間を短縮するなど、目標までの距離やライフスタイルに合わせて選べるし、料金も1年目よりリーズナブルな設定になっている。また、リスニングのシャドーイングに特化したサブスク型サービス「シャドーイングバディ」という選択肢もある。毎日課題が届き、その日のうちに提出しなければ消えてしまうという"プチ締め切り"方式が継続の後押しをしてくれるという。英語学習に終わりはない分、続け方のバリエーションが豊富なのもトライズならではの強みだろう。
主要の継続プラン
- レッスンのみプラン:トライズのレッスンのみを受講。レッスン回数は、週1回から週3回まで自由に設定。
- サポートのみプラン:レッスンなしで、コンサルタントのサポートのみ受けることができる。
- レッスン+サポートプラン:レッスンとサポートを組み合わせた、バランス重視のプラン。レッスン回数は、週1回から週3回まで自由に選択。
- シャドーイングバディ:リスニング学習に特化したシャドーイングのサブスクサービス。今まで培ってきたリスニング力をゼロにしないように、毎日40分のハードなシャドーイング課題に挑戦。課題の最後には音声を提出し、コンサルタントが添削、改善点をフィードバックしてくれる。

「卒業」は終わりではなく、自走の始まり
思えば1年前、「1日3時間って本当に可能なの?」と半信半疑で始めたこのチャレンジ。正直に言えば、毎日、完璧にこなせたわけではない。出張や子供の体調不良で学習ゼロになってしまう日もたくさんあったし、停滞期には「このままで話せるようになるのか」という不安に駆られたこともあった。それでも、専属コンサルタントの有馬さんという“伴走者”がいたことで、1年間を走り切ることができた。
そして手元に残ったのは、VERSANTスコア50という数字だけではない。“自分にとって効く学習法”への確信、隙間時間を英語に使う習慣だ。
「ここからが本当の始まりです。自分なりのペースで、楽しんで英語学習を続けていってくださいね」という有馬さんの言葉が、最終コンサルティングの締めくくりだった。
英語学習に終わりはない。でもそれは、ゴールがないということではなく、ゴールがどこまでも先に広がり続けるということ。この道をどう進んでいくか。トライズが1年かけて授けてくれたのは、その歩みを先に進めるための道標だったのだ。

