「人生100年時代」と言われて久しいが、いかに平均寿命が長くなったとしても時間が有限であることに変わりはない。あらゆる生き方が選択可能な現代。結婚に対するイメージや価値観の多様化も進むなか、最高のパートナーとの出会いを求めるとしたなら…。婚活アドバイザーとしてこれまでに多くのカップルを成婚へと導いてきた『マリーミー』代表の植草美幸さんに、婚活勝者となるための心得を3回にわたって聞く。3回目。

“上司感”を出してくる男性はお断り
ハイスペ中年男性に限らず、婚活に勝つには相手とのコミュニケーションをいかに取るかが大切。トークにはイマイチ自信が持てないというひとでもあきらめる必要はないというのは、成婚率80%という驚異の数字を誇る結婚相談所『マリーミー』の植草美幸さんだ。
「まず、コミュニケーション上手が話術に長けているかといえば、そうではありません。婚活をするうえで重要なコミュニケーションとは将来的なビジョンも含め、こちらの希望を真摯に伝えながらお相手の意見もきちんと尊重することです」
収入や社会的地位の高さなど“ハイスペック”なだけでは成婚できないシビアな世界。「これをしたら一発アウト!」な言動があれば事前に知っておきたいところ。
「女性のクレームとして多いのは上司感を出してくる、というものです。誰だって自分の考えを否定されるのはいい気分ではありませんが、無意識にそうした態度を出してしまう男性は意外に多い。愚痴が多いのも当然、NGです。会社のことや部下のことなど、文句ばかり言っていては好感度が下がるばかり。仕事の話でいうと『忙しい』というのも禁止ワードです。実際に忙しいとしても、それなら結婚しても家に帰ってこられないのね、一緒にいる意味が感じられないと女性にそっぽを向かれてしまいます」
ハイスペック中年婚活で勝つための5箇条
高圧的な態度や卑屈な言葉の連投はもってのほかというのは、多くの女性が共感するところ。はじめてのお見合いを経てランチに誘うとなった場合、店選びも気を遣うが…。
「お相手に3択で意見を聞くのがいいですね。1つ目はイタリアン、2つ目はフレンチ、3つ目は和食など、自分の好きなお店やジャンルのなかからお相手に選んでもらう。いまどきの女性は『一緒に選びたい』という方が多いので、自分ひとりで完結しないこと。できたら第4の選択肢として、その他というのも入れておくといいですね。お相手が意見を言いやすくなりますし、そこから会話が広がることも。
またお店では、ふたりでメニューを見ながら『女性がおまかせします』と言ってきても、一番安いコースは避けたいですね。お会計は、女性が離席しているあいだにスマートに。よく女性でお財布を出す“素振り”をするひとがいますが、そういう方ほど『割り勘にされた』とあとで怒るのです。女性も、出すフリをするくらいなら素直に『ご馳走さまでした』とお礼を言ったほうがいいと思います。次は私がお支払いしますから、と付け加えたら互いいに気持ちがいいですよね」
表面的にとりつくろうよりも、将来のパートナーになるかもしれない相手には素直な心で向き合いたいもの。真剣に結婚を考える者同士だからこそ、誠実なコミュニケーションなくして相手のことを深く知るのは不可能なのだ。場を盛り上げるためにトークスキルを磨くことももちろん大切だが、相手との対面の際は
- 上司のようにダメ出しをしない
- 相手を不快にさせる愚痴を封じる
- 自分から「忙しい」と言わない
- デートの店選びは相手の意見を聞く
- 支払いはケチらず気持ちよく
の5箇条を心に留めておくことで、円滑なコミュニケーションがはかれる場合も。人間の生き方にも結婚のかたちにもマニュアルはないからこそ、自分自身をゆっくりと見つめ、心の声に耳を傾けることが“しあわせ”を引き寄せるきっかけになる。
結婚はひとりではなく、ふたりで手を取り合い、未来に向かって歩いていくこと。その一歩を踏み出した先に自分が望む道がきっと広がっているはずだ。
※1回目から読む

東京・青山の結婚相談所『マリーミー』代表。高い成婚実績を残す敏腕婚活アドバイザーとしてさまざまなメディアに出演。自身がアドバイザーを務める「植草美幸コース」には富裕層の会員も多数。公式YouTubeも人気。