パッと見で心をぎゅっと摑まれるというよりも、眺めているうちに味わい深さやユニークな造形に惹かれていく。まさに「じわじわ来る」という表現がピタリとハマるのが、建築を知り尽くす建築史家・藤森照信氏がデザインする家具。

鬼才がデザインする椅子という形をとったアートピース
これまで建築に伴う家具の制作はしても、家具単体の発表はされてなかったが、このたび「ふじもり椅子」として5型を発表。初となる一般販売が決定。
家具製作をともに担うのは、藤森氏の教え子でもあり、家具制作でも協業してきた川本家具製作研究所の川本英樹氏。藤森氏の細やかな指示のもと、材によりディテールが変わる椅子を一点一点、手作業で削り上げることで、彫刻作品のような趣を放つ仕上がりに。今回は、一般的な家具には用いられない材を選び、実験的な技術も積極的に試みられているというから興味深い。
椅子という形を取りつつも、まさにアートピースと呼べる無二の傑作。まずはその作品にギャラリーで見て触れてみたい。
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