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2024.08.15

仕事がつらすぎて心が壊れそうなときにやるべきこと

とにかく多忙な現代のビジネスパーソン。「仕事以外のことをする時間がない」「何をやっても三日坊主で終わってしまう」「新しいことを始めても長く続かない」と悩む人も多いだろう。仕事も仕事以外のことも、無理なく楽しく継続できるようにはどうすればいいのか。著名なブックデザイナーであり、「続けることが趣味」だと言う井上新八氏が、20年以上にわたって実験と検証を繰り返して確立した、具体的な習慣化のコツや「絶対に続けられる」日々の仕組みづくりを伝授する。『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、一部を抜粋・再編集して紹介。

見猿、言わ猿、聞か猿
unsplash/hunter-leonard ※画像はイメージ

積極的に「2時間の現実逃避」をする

身体の疲れをとるためには休みが必要だ。でも心の疲れはどうすればとれるのか?

忙しいときってどんどん心が追い込まれて余裕がなくなっていく。そして1秒も無駄にできないくらい忙しいときがある。

こんなときはゆっくり休むのもいいけど、たっぷり休む時間がとれるわけじゃない。2時間寝る? その選択肢もありそう。

だけどわたしのオススメは、そんなときこそ無駄なことを2時間やってみることだ。

ときどき病的に忙しい時期がある。毎朝4時に起きて、夜遅くまで仕事してないとまったく仕事が終わらないくらい忙しい、完全なパンク状態。

そんな生活が続くと、どんどん心がすり減っていく。まともな心が失われていく。「忙しい」って字が心を亡くすと書く理由が身をもってわかる。

何日も家から出ないで働き続けた結果、心が少し壊れる。頭痛がしてきて、変なぼやきのブログを書いては消す……、そんな状態になる。

そんなとき、ふと近所の映画館の上映時間を調べたら、家を出て走っていけばギリギリ上映時間に間に合う映画を見つける。内容も調べず、タイトルもよくわからない映画のチケットをすぐに買って、部屋着にコートをはおって走って映画館に駆け込む。

映画の内容なんてどうでもいい。外で冷たい空気に当たって、そしてデジタルデバイスをすべて閉じて、2時間無心に映画に没頭する。そのことで心が回復する。2時間を失うかわりに、何かを取り戻す。

また仕事に戻ったときには最悪な気分は脱している。ああ、これだ、これなんだ。ゆっくり休むより、別のことをすることなんだ。

本当に忙しくて、心を失いそうになったときは、関係のないことをやって切り替えないとダメだ。映画は2時間の現実からの遮断。完全なデトックスだ。本当に忙しいときこそ、こういうことが大事なんだ。

しっかり別のことをすること。仕事以外のことをすること。例えば掃除。忙しいときこそていねいに時間をかけて掃除をしてみる。それだけで、すごく落ち着いた心を取り戻せる。

「忙しいときに何やってんの?」って思うようなことをする。掃除をする、片づけをする、美味しいものを食べる、ゲームをする、ダンスをする、ブログを書く、映画を見る。

仕事以外の「生きる」ことをきちんとする。それらは全部、心を失わないためにある。生活をきちんとすることで、心を失わないように守る。

脳の疲労は休んでも取れない

脳に疲労をためすぎると、心がすり減っていく。脳を休めるにはどうしたらいいか。だらっとしてぼーっとすごすといいのか? 違うのだそうだ。

脳の疲労は休んでもとれないらしい。脳は常に使うほうが疲れないという。脳を休ませるには、脳が拒否しないような、無駄なことをするのがいいと脳科学では言われている。

無駄なことをして脳を動かしておく。これが脳を疲れさせない方法だ。

やらなきゃいけないこと(=ストレスのかかる仕事)に脳が支配されそうになったら、やらなくてもいいどうでもいいような無駄なことに没頭することが、脳を休めることになる。だから仕事がつらすぎて心が壊れそうなときこそ、どうでもいい、脳が拒否しないことに全力で没頭してみるのがいいのかもしれない。

気になっていたけど放置していた単純作業とか、ちょうどいい。

わたしは仕事で疲れたら、単純作業を合間に挟むようにしている。デザインした本のリストづくりをしてみたり、長文のブログを削る作業をしてみたり。どうでもいいような「今やる必要ある?」ってことを積極的な現実逃避としてやってみる。

そうすると、「あれ、今とんでもなく忙しかったんじゃなかったっけ?」ってくらい忙しかったことを忘れる。

「本当にもうダメ」ってくらい忙しくなったら、無駄なことに没頭する!

忙しいときこそ、積極的現実逃避を勧めたい。1秒も無駄にできないくらい忙しいときこそ、積極的に2時間無駄にしよう! 2時間失う代わりに取り戻せるものが必ずある!

TEXT=井上新八

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