2024年6月、神戸・旧居留地にミノッティの新たな旗艦店が誕生した。東日本の旗艦店「Minotti AOYAMA」に続く、西日本の旗艦店「Minotti KOBE」。ブランドの世界観を見事に体現した唯一無二の空間で、最幸の暮らしに思いを巡らしたい。
ニューコレクションから、ベストセラーコレクションまで揃う旗艦店
レトロな洋館が立ち並ぶ、神戸・旧居留地。一歩足を踏み入れると、その美しく、風格のある街並みに一種の高揚感を覚える。日本の商業地区でもひときわ稀有な場所だ。
なかでも中心に位置する浪花町筋沿いに、2024年6月、イタリアの家具ブランド・ミノッティが、関西初出店となる「ミノッティ 神戸(Minotti KOBE)」をオープンした。世界各国に点在するミノッティの店舗の内装は、その土地の風土や文化に合わせ、まったく異なる雰囲気を演出しているという。この神戸のショールームでは禅哲学のミニマリズムを軸に、極めて少ない要素で空間を演出しているため、コレクションの存在をダイレクトに感じることができるのも特徴だ。
2階建て、総面積400m2のゆったりとしたショールーム。その1階、4mはあろうかという天井高のダイナミックな空間には、コンパクトなリビングやラウンジエリア、はたまた、広いリビングや共用エリアに見立てたシチュエーションが。ロドルフォ・ドルドーニデザイン「BARADY DINING(ブレディ ダイニンング)」のダイニングテーブルや、nendoデザイン「TORII BOLD(トリー ボールド)」のソファなど、最新コレクションからベストセラーコレクションで構成することで、上質な暮らしを連想させてくれる。ソファとテーブルの絶妙な組み合わせを見て、「この空間に身を置けるなら、チェアはこんな素材がいいかな」など想像力も膨らむというもの。
2階は一転して、プライベートなシチュエーションに。ロドルフォ・ドルドーニデザインのベッド「TWIGGY BED(ツイギー ベッド)」やマルシオ・コーガンデザインのキャビネット「SUPERBLOCKS(スーパーブロックス)」などでレイアウトされた寝室は、その居心地のよさに、思わず時間が経つのを忘れてしまうほど。
そして、極めつけは経験豊かなスタッフと、デザインや建築に精通したデザイナーの存在だ。このショールームのコレクションをもとに、どんな空間にしたいのか、プランニングを体系立てて進められる。「ミノッティ 神戸」は、ミノッティが育むイタリアの手仕事とモダンデザインを融合したブランドの世界観を全身で感じられると同時に、それを具現化する発想力も刺激してくれる。
富裕層に愛される理由とは
2023年、創立75年を迎えたミノッティは、ミラノサローネ史上最大規模となる4,500m2のパビリオンを出展して話題となった。空間すべてを包括するデザインを「コレクション」と名づけ、製品1つ1つを紹介するのではなく、徹底的に空間づくりに注力してきたのだ。
4,500m2という広さをもってして、試作品は含まず、すべて製品化されたものを発表したという。また、毎シーズン、50種類近くのファブリックを自社で開発し続ける情熱も凄まじい。もちろん、すべてメイド・イン・イタリーだ。
圧倒的探究心なくしては成し得ないことばかり。ミノッティは、イタリアの感性を備えながらも、質実剛健という価値観を持つ稀有な存在といえる。ここにこそ、厳しい目を持つ富裕層の審美眼にかなうコレクションの秘密があるのではないだろうか。
西日本初の旗艦店は、世界的インテリアブランドのコレクションの世界観とともに、その飽くなき探究心による新しい時代の風も感じられる、インテリアの発信拠点となることだろう。