「他の人に任せられない」と悩み、仕事を抱え込む人が増えている。しかし、実は「任せないこと」が部下や組織のパフォーマンスを下げ、そして何より自分自身の成長を妨げる最大の要因なのだ。自分も相手もラクになる、正しい“丸投げ"とは? 「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 マネジメント部門賞」などを受賞し、現在10万部を超えるベストセラーになっている話題の書籍『任せるコツ』(すばる社)より、一部を抜粋・再編集して紹介する。【その他の記事はコチラ】
コミュニケーションにおいては、メンバーの話を聞いて、人となりを把握することが重要です。
それならば「夜のみに行くのが手っ取り早いよ」と、昭和スタイルの飲みニケーションを推す人もいます。またその逆で、”飲みニケーションは時代にそぐわない悪習”として、全否定する意見もあります。
どちらが正しいのでしょうか?
令和時代に飲みニケーションはアリかナシか?
私の意見は、「メリットもあるので、一概に悪とも言えないけど、飲みに頼りすぎないようにしよう」というものです。
私自身の経験を振り返っても、情報収集や人脈拡大など、夜の飲みがポジティブに働いた経験は何度もあります。
また、チームメンバーと飲みに行って、オフィスとは違った表情が見えたり、昼はガードが固かった人が打ち解けて、その後に仕事がしやすくなったこともあります。
会社で伝えると正式なクレームになってしまうことを、いわゆる愚痴として吐き出してもらうことでスッキリするなら、大いに結構だと考えます。
このようにメリットも多いので、メンバーの距離を縮めていく有効な手段と認識していますが、私個人はなるべく夜の席に頼らないようにしています。
“夜にできることは、オフィスで完結できるのがベスト”と考えているからです。
私自身はソムリエ協会の資格を取り、趣味でたまにワインバーでマスターをやっているので、お酒自体は好きなのですが、基本的に自分からはメンバーを飲みに誘わないようにしています。それぞれのプライベートもあるので、という配慮です。
ただ、メンバーからの誘いがあれば、いつでもウェルカムなので、声をかけられやすいように心がけています。
無理に誘わない配慮と、向こうから誘いやすい気配を意識しています。
飲みニケーションの注意点3選
メンバーと飲みに行った際の注意点もお伝えします。
1.昔話をしない
セクハラやパワハラは論外ですが、酔ってくるとついついしてしまうのが、自分のかつての栄光を語る、というものです。
ハラスメントと違って懲罰の対象にはなりませんが、「俺が若い頃は……」という昔話は聞く側にとっては苦痛でしかありません。
飲んでいるとついつい気持ちよくなって話してしまうので、私自身も過去にしてしまった経験もありますが……。
「自分の話は聞かれたとき以外はしない」くらいのスタンスが、ちょうどいいのかもしれません。
2.強制しない
無理に誘わない、というだけでなく、長居しない、途中で退出もOKとするなどの配慮が必要です。翌日の業務に影響が出るほど飲んでは本末転倒です。
私は海外で働いていた経験があるのですが、金曜夕方になると仕事が終わった人から徐々に指定のバーに集まって、だいたいは1〜2杯だけ飲んで解散していました。
恋人や配偶者もジョインして軽く飲み、その後にそれぞれ食事に行ったり、映画を見に行ったり、金曜の夜を有意義に使えて、素晴らしい習慣だなあと感じていました。
翌日に「飲みすぎた」と後悔しないくらいがビジネスの飲みとしてはオススメです。
3.昼に言いにくい話をしない
“伝えづらいフィードバックをお酒の席でする”というのは、よくありません。
ネガティブなことは、酔った勢いで伝えたくなる気持ちは理解できますが、ビジネスに関することは昼にしましょう。「大切な話こそ昼に」を心がけましょう。
以上の注意点を頭の片隅に置いて、夜の飲みをご活用ください。