ゲーテ読者に薦めたいとっておきの1冊をピックアップ! 今回は、田中耕比古の『仮説とデータをつなぐ思考法 DATA INFORMED』をご紹介。
文系人間こそデータやAIを使いこなせ!
2023年はChatGPTに代表される生成AIがビジネス界にも広がり、仕事の在り方も大きく変わっていくはずだ。これからのビジネスで成果を出すためにはデータ活用が不可欠だが、ではそのデータをどう活かしていけばいいのか。本書は、そんな不安を抱える文系ビジネスパーソンにとって、バイブルとなるだろう。
データ活用のために本当に重要なのは、数字やプログラミングのスキルではない。むしろ、知るべきはデータの使い方なのであり、自分の経験だけに頼るのではなく、データを活用してその仮説を合理的なものにアップグレードする「データインフォームド思考」が必要だと筆者は言う。
目の前の出来事とデータ、またデータ同士を比較したりする技術を身につけることで、経験や知識の不足を補完できる。つまり、専門性がない分野であったりビジネス感覚がまだ養われていない若手でも、データをうまく活用することによって、早い段階で高い成果を出せるようになるということだ。
筆者自身が文系出身の経営者ということで、本書の内容も“文系人間”に寄り添ったものとなっている。数字やデータに苦手意識を持つ人にこそ、手に取ってもらいたい1冊だ。
Seitaro Yamazaki
1982年神奈川県生まれ。セイタロウデザイン代表。「社会はデザインで変えられる」という信念のもと、デザインブランディングを中心に多様なチャネルのアートディレクションを手がける。