35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第160回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
We went to some cheesy bar.って??
英語の上手な韓国人の友人が久々にイタリア旅行に行っているということで、日々現地の写真を送ってきてくれています。
「今日はどこへ行ったの?」と旅行中の彼女に聞いてみると、こう返ってきました。
We went to some cheesy bar.
チージーバー? チーズ的なバー?
さすがグルメの国、イタリア。チーズのバーなんていうのがあるのか。そう思って「それはいいね」と伝えると、「いや、別によくはないんだ」と返ってきてなんだか話がチグハグになりました。
cheesy =安っぽい、クオリティの低い
という意味のスラングだそうです。ケンブリッジの英英辞典では、例文としてこのようなものがありました。
cheesy adverts(安っぽい広告)
cheesy hotel music(ホテルの安っぽい音楽)
もちろん“cheesy biscuits (チーズ味のビスケット)”など、「チーズっぽい」という本来の意味で使われることもあります。まぁその場合はだいたい、そのあとにつく名詞が食べ物になるので、間違えることはないかと思います。
メッセージをくれた彼女は、「なんか安っぽいバーであんまりよくなかった」と言っていたようです。
安っぽい、という意味なので、映画や芸術作品を説明する際に“cheesy”というと、「オーバーな」とか「クサい」というような意味になるみたいです。
I think that the movie is really cheesy.
(あの映画ってちょっとクサいと思う)
チーズのように匂いが強くて、やりすぎな演技、とかそういうイメージでしょうか。
他にも、笑顔を説明する際に、“cheesy”とつけると「大きく口をあけた、ちょっとふざけた感じの笑顔」ということになるみたいです。
She gave a cheesy grin to the cameras.
(彼女はカメラに、大きく口をあけた笑みを向けた)
ようは「ハイ、チーズ」と言われて無理やり作った笑顔、のような不自然に口角が上がっているようなあれでしょうか。
韓国人の友人とは、お互いに英語が母国語ではないので、「チージーって言われたから、チーズかと思った。勉強になったよ」と彼女に伝えると、こう返ってきました。
「じゃあ、“チージーな足”って言われたら、どういう意味になると思う?」
チージーな足?
安っぽい足、という訳が浮かびましたが意味がわかりません。そこで、映画などを説明する際の2番目の意味を当てはめたらピンと来ました。
クサい足……。
蒸れて、発酵した、チーズのような足の匂い。想像しただけで鼻をつまみたくなります。
大好きなチーズにも、いろいろな意味があるのだととても勉強になりました。
Illustration=Norio
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。