35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第133回!
私の意見は、2円くらいの価値!?
以前、Netflixでイギリスドラマを英語字幕でみていたら、こんなセリフがありました。
That's just my two pennies worth. you can believe what you like.
英語の聞き取り能力がないので、字幕がないと何をいっているかわかりません。かといって日本語字幕にしてしまうと、そっちに頼ってしまって勉強にならないので、せめてもと英語字幕にしています。しかしリーディング能力も下がっているので、いちいち画面を止めるか、それが面倒くさくなると、もうなんとなく登場人物の表情を頼りに、物語を推察するようになってしまいました。それなら日本語字幕にして普通に見た方がいい気がします。
そのドラマは「子供にスマホを持たせるかどうか」で両親がモメているようでした。
そしてこのセリフ。
That's just my two pennies worth. you can believe what you like.
直訳すれば「それは単なる私の2ペニーの価値。あなたは好きなことを信じればいい」ということになります。「単なる私の2ペニーの価値」とはなんなのでしょうか。
オンラインの英語教師に聞いてみるとこういうことでした。
My two pennies worth=私の意見
スマホはあまり小さいうちから持たせるべきでないという母親と、早いうちに持たせた方が安心だという父親の意見が分かれて、苛立った母親が、「これは単なるわたしの意見だから、あなたは好きなことを信じたらいいわ」というセリフだったようです。
ペニーとはイギリスの通貨の単位で、だいたい1円程度。
意見を言う際に「私の意見には2円程度の価値しかありませんが」という謙遜を表すそうです。
この母親の場合は、キレ気味に言っていますが、別に怒っていなくても使える言葉だそうです。
「不肖、私めの意見でございますので、どうぞご参考程度に」というニュアンスでしょうか。
ちなみに私が質問をしたオンライン英語教師はアメリカ人です。
「アメリカでも同じように言うんだけど、ペニーはイギリスのお金だから、こっちではセントを使う」
ということで、アメリカ英語では“my two cents’ worth”となるそうです。
どうせ謙遜するなら「1円程度の価値しかありませんが」といえばいいものを、
なぜ「2円程度」なのかが不思議です。
アメリカでは諸説あって「ポーカーに参加できる最低賭け金が2セントだった」などといわれているようですが、定かではないそうです。
「別に意見を聞かれていないのに、言いたいときはこう言うといいよ」
と先生が教えてくれたのがこちら。
put in my two cents
「(聞かれてないけど)わたしの2セント入れておきますね」といった感じでしょうか。
先生があげた例文がこちらです。
If I can just put in my two cents, I think he should have been to her house.
(もし意見をいわせてもらうなら、彼は彼女の家に行くべきだったと思います)
確かに、聞かれてないけど、なんとなく言いたい、そんな老婆心が出てしまうことも日常では多々あるので意外に使えるフレーズかもしれません。
ほかにも、
Nobody asks for your two cents!
と言ったら「誰もお前の意見なんか聞いてねーよ」となるそうです。多人数が参加する会議なんかでは、「なにか言わないといけない」と思ったであろう、もうほとんど部外者みたいな人に、なぜか辛辣な意見を言われてカチンとくることがあります。英語で会議に出るのはずいぶん先の未来でしょうが、いつか使ってやろうと思いました。というか、日本語でも「誰もお前の意見なんか聞いてねーよ」なんて会議で言えませんけど。
Illustration=Norio