カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。。第23回は「イヤーエステ」。耳掃除と耳のマッサージを組み合わせた、海外旅行者からも密かに人気を集める日本独自のメソッドだ。月に1度通っているという堀江氏に同行して、「ボニータ・ボニート」を運営する中本多紀氏によるトリートメントを取材した。連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
“耳を整える”ことは難聴の前段階で行うことができるアンチエイジング
堀江貴文(以下堀江) このイヤーエステを知ったのは、某雑誌の編集長に「すごくいいから!」と強く勧められたのがきっかけ。3〜4ヵ月前に初めて受けて、それから月に1度は通っています。今日は4回目。以前までは綿棒を使って自分で耳の汚れを取るくらいで、ひとに耳掃除をやってもらうのは初めてでした。
中本多紀(以下中本) 我々のイヤーエステメソッドでは、耳掃除と耳のマッサージという、ふたつの耳のケアを行います。私はもともと美容師なのですが、自律神経が乱れているお客様と多く接するなかで、ゆっくりお話をしながらケアできる技術を得たいと考え、イヤーエステに行きつきました。
耳かきマッサージを学び、リンパマッサージなどを取り入れた独自のメソッドをつくり、17年前に和歌山で開業しました。特徴はイヤースコープで耳の内部をモニターに映しだし、お客様にも見てもらいながら耳掃除を行うこと。ただメインとして考えているのは、そのあとに行う耳のマッサージです。
(堀江氏の耳の中がモニターに映る)まず、耳の入り口から整えていきます。実は耳の中には毛が生えていて、まずはそれをカットします。毛があると耳垢が絡んで溜まりやすいのと、スコープの視野の邪魔になるので。堀江さんは毎月お手入れされているのできれいですが、ほったらかしにしていると1㎝以上伸びて耳の穴を覆ってしまうこともあるんです。
堀江 男性は特に、耳毛が伸びやすいので要注意です。耳毛が出ている人を見ると「あー、年取ってんなー」って思うでしょ。指摘しづらいし。これをやっとけば、耳毛は出てこない。
中本 聞こえないのは年のせいだから仕方がないのだと考えて、耳掃除をする機会も得ず、耳鼻科の受診もしないまま、認知症が進行してしまった例もあるようです。お客様のなかには、鼓膜が見えなくなるぐらい耳垢が溜まっていた方もいらっしゃいました。
堀江 聴力が落ちると外界とのコミュニケーションが取りにくくなるから、認知症になりやすいんですよね。その原因のひとつが、溜まった耳垢の可能性もあるとは。ここではファイバースコープで耳の中を見ながら掃除をしてくれるので、めちゃくちゃ取れている感覚があって、気持ちいい。これはまさにアンチエイジングですよ。この連載の2022年12月号で難聴を取り上げたけど、難聴の前段階でやれること。それが耳を整えることです。
耳掃除と耳マッサージは究極の癒やし
中本 聞こえづらさにもつながってしまう耳垢は、大きく分けると乾燥タイプと湿性タイプ、さらに細かくタイプが分けられ、それによって溜まり方も違うんです。知っておいてほしいのは、耳垢とは汗、皮脂、外から入りこんだホコリが混ざりあった脂性の汚れだということ。水だけでは落ちません。お風呂上がりに綿棒で耳掃除をする人は多いですが、水分は吸い取れても、ふやけた耳垢は、耳の壁にのび広がってしまうだけです。
堀江 ここでは太さの違う綿棒とオイルを使っていますよね。
中本 オリジナルのイヤーリムーバーをしみこませて、鼓膜側に汚れを落とさないように、少しずつ取り除いています。綿棒は耳のサイズや形に合わせて選んでいますね。また、耳かきで耳全体にたくさん存在するツボを優しく、的確に刺激します。最近、海外からのお客様が増えているのですが、彼らは基本的に耳掃除をする習慣がないらしいです。
堀江 え? そうなの?
中本 ヨーロッパでは「耳の中にものを入れてはいけない」と昔から言い伝えられているエリアもあるそうで、お母さんが子供の耳掃除をするのは、幼児虐待と言われることもあるとか。
堀江 そうなんだ。
中本 それを教えてくれたヨーロッパの方の耳掃除をしたら、怖さで緊張して、最初は震えていました(苦笑)。最後には気持ちよかったと言っていただけたのでよかったですが。はい、堀江さんの両耳がキレイになりました。椅子を倒しますね。
堀江 このあとの、耳マッサージがすごい。ほんとに。
中本 耳には全身のツボがありまして、押すと痛いところや硬くなっている部分から、全身の不調がわかります。それは日や時間によっても変わります。よく見て、感触を確認しながら、凝っている所を見つけて綿棒で刺激したり、手で揉んだり引っ張ったりして刺激していくんです。血液やリンパの流れがよくなりますし、耳鳴りとかめまいとか、突発性難聴などの予防効果もあるといわれています。マッサージのあとに、身体の変化を感じる方もいらっしゃいますよ。
まず、ホットタオルで両耳を包んで温めながら全体のこわばりをほぐし、オリジナルのクリームを耳につけてゆっくりとマッサージします。堀江さんは相当にお忙しい方なのに意外に耳が柔らかいので、上手にリラックスされているのだと思います。あ……、(小声で)寝られましたね。
堀江 (寝息を立てて、ぐっすり)
中本 仕上げに、耳に適したサイズのスポンジに泡立てたソープを含ませて耳を洗い、ホットタオルで拭き取ります。こうすることで耳から発する加齢臭も防げます。最後に耳全体に少量のオイルをつけてマッサージ。表面の余分な角質を取り除きます。
堀江さんはいつもベーシックなコースを選ばれますが、それでもいくつものプロセスを組み合わせて提供しています。このような耳のサービスを展開しているのは日本だけのようです。仕上げに梵天(棒の先にふわふわした羽がついたもの)で耳をささっと撫でて終わりです。堀江さん、お疲れさまでしたー。
堀江 ……すっきりしました。(編集部に向かって)気持ちよさそうだったでしょ。もう、これは究極の癒やしですね。次の予約をお願いします。
Taki Nakamoto
和歌山県生まれ。BBcompany代表、JEB ジャパンイヤービューティ協会理事長。18歳で美容師となったのちイヤーエステに出合い、2007年に和歌山でエステサロンを開業。2014年にイヤーエステ「ボニータ・ボニート」を東京と大阪、旭川に出店。現在はセラピストの育成も行っている。
Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。著書に『不老不死の研究』(幻冬舎刊)など。
■連載「金を使うならカラダに使え!」とは……
カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する連載。